出版社内容情報
18世紀末から20世紀初のタイ史における近代国家形成の歩みと位置づけられたその歴史叙述と根拠とされる史料を批判的に再検討し,新たな切り口・視角を提示する.歴史叙述の政治性や近代性を捉え返し,歴史学が焦点とする広範囲な問題群や検討課題を切り拓く.
内容説明
本書は、18世紀末から20世紀初頭のタイ(シャム)史を対象に、これまでの歴史叙述とその根拠となった史料を批判的に再検討する中から、新たな切り口・視角を見出し、より多様で広範な問題群や検討課題を切り拓く試みを意図している。
目次
1 統治制度(アユタヤー時代における徭役・兵役制度の「創造」;チャクリー改革期シャムにおける統治理念の再考―臣民・徴兵制・センサス)
2 王権と社会組織(もう一つの「ファミリー・ポリティクス」;系譜の編纂と近代―バーンチャーン系譜再編の事例から)
3 対外関係(アンナ・レオノーウェンスの問いかけるもの;「朝貢」と「条約」のあいだ)
4 歴史と現在(メイド・イン・タイランド―「タイシルク」の来歴に関するノート)
エピローグ 中国人同化論再考―地域コミュニティの視点から
著者等紹介
小泉順子[コイズミジュンコ]
1983年東京大学教養学部卒。1991年東京大学大学院修了(農業経済学専攻)。博士号取得。東京外国語大学外国語学部助教授を経て、京都大学東南アジア研究所助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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