出版社内容情報
19世紀アメリカ合衆国における奴隷制廃止運動の歴史を,自由主義思想の変転との関わりのなかでとらえ,一次史料の精査な分析を通じて鮮やかに描き出す.自由思想と人種思想とが交錯する19世紀アメリカ研究の空隙を埋める意欲作.
目次
第1章 十九世紀アメリカの反奴隷制思想
第2章 自由労働思想の史的展開
第3章 南北戦争期の解放奴隷
第4章 南北戦争後の解放黒人をめぐる法
第5章 南部再建の思想―解放民局の成立過程を中心に
第6章 「奴隷王‐黒人奴隷」関係の再編過程―解放民局の労働関連事業を中心に
第7章 経済的自立の試みとその挫折―解放民銀行を中心に
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
142
アメリカの当時の経済的な基礎になっていた奴隷制とそれを廃止するという方向へかじ取りを取っていった自由主義というものの考え方についての歴史的な考察で、私には参考になりました。時たまじっくりこのような本を読むと学生時代を思い出します。私の大学時代の経済史は西洋的なものが中心のいわゆる大塚史学でしたが、このようにアメリカの経済的基礎の分析も面白いものがあります。それにしてもかなりの文献に目を通されていることがよくわかります。2017/01/28
陽香
2
199708252017/01/11