出版社内容情報
東アジア史のなかで長く共通書記言語として機能した漢字・漢文の受容と変容の過程ではぐくまれた、文化の共通性と多様性を描く。
黄河流域で発明された漢字とそれによって綴られる漢文.二千年間にわたり東アジアにおける共通書記言語として機能し,宗教や社会制度などあらゆる局面を司った.日本以外の訓読的現象にも着目して,東アジアを漢文の受容と変容の過程から捉えなおす.
プロローグ 訓読から見なおす東アジア
第I部 訓読をどう論じるか
一 文化の翻訳/二 クレオール/三 雅言/四 辺境の国学/五 他地域における「訓読」 ?朝鮮半島 ? ベトナム
第II部 多様な漢文世界
一 多言語世界の中国/二 朝鮮時代の多層的漢文世界/三 長崎唐通事の言語世界/四 琉球の漢文/五 素読の教育文化/六 国学者が訓んだ『論語』
第III部 訓読は日本語をつくる
一 近世日本の訓読法 ?一斎点の登場まで ?敬語をどう表現したか/二 白話小説の受容と訓読 ?白話小説はどう読まれたか ? 近代日本における翻訳/三 近代日本の成立と訓読 ?明治前期建白書の文体 ?明治・大正期の教科書 ?国語施策と「訓読」
第IV部 訓読論から展望する
一 荻生徂徠の「訓読否定論」/二 学校教科書のなかから/三 詩吟と唱詩の言語/四 近代日本の中国学と訓読 ?漢文直読論の運命 ?漢文を訓読で読む/五 中国古典と近代日本
【執筆者】中村春作,高津 孝,齋藤希史,澤井啓一,伊藤英人,岩月純一,渡辺純成,崔在穆,木津祐子,辻本雅史,田尻祐一郎,齋藤文俊,前田 勉,川島優子,勝山 稔,木村 淳,山東 功,小島 毅,加藤 徹,陶徳民,市來津由彦
【著者紹介】
小島 毅
小島 毅:東京大学大学院人文社会系研究科教授
内容説明
漢字・漢文の習得を通してそれぞれに文化を構築してきた東アジア諸国。より広い視野で「訓読」を捉えなおし漢文世界の多様な展開を読みとく。
目次
第1部 訓読をどう論じるか(文化の翻訳;クレオール ほか)
第2部 多様な漢文世界(多言語世界の中国;朝鮮時代の多層的漢文世界 ほか)
第3部 訓読は日本語をつくる(近世日本の訓読法;白話小説の受容と訓読 ほか)
第4部 訓読論から展望する(荻生徂徠の「訓読否定論」;学校教科書のなかから ほか)
感想・レビュー
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さとうしん
maana1119