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中東イスラム世界
日本人の中東発見―逆遠近法のなかの比較文化史

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  • サイズ B6判/ページ数 312,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784130250221
  • NDC分類 210.18
  • Cコード C3322

出版社内容情報

日本と中東との歴史的・文化的相互接触の過程で,互いの認識やイメージがいかに形成され変容してきたか.文献・絵画・事物を駆使し,中東を,そして日本を捉え直し,世界史を新たな構図の中で眺めるための糧を提示する. 地中海学会ヘレンド賞,日本比較文学会賞受賞

内容説明

日本と中東との歴史的・文化的相互接触の過程で、互いの認識やイメージがいかに形成され変容してきたか。文献・絵画・事物を駆使し、世界史を新たな構図の中で眺めるための糧を提示する。

目次

第1章 波斯と大食―古代・中世の文化交渉
第2章 日本人の中東像の形成過程―徳川から近代へ
第3章 近代中東世界の日本発見

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ドウ

4
冒頭の「中東」概念の定義と巻末のアラビア語の転写ルール表しか読んでいなかった(学生は卒論前に目を通すと良い)ので、改めて通読してみた。有史以後の日本―中東(アラブ・イラン・トルコ)間の文物の交流を鮮やかに描く。博覧強記という四字熟語は著者のためにある。最後に紹介されていた浦島伝説の中東現代文学への影響は、直接薫陶を受けたこともあり懐かしさを覚えた。近代以後の中東人の日本発見に比べ、日本人の中東発見のフィルタの方が濃く、かつそれが外部からあてがわれた(自分の信念と無関係な)ものであったような印象を受けた。2019/05/04

印度 洋一郎

3
日本と中東、古代から第二次大戦前まで互いは相手をどう認識していたのか?そのイメージの変遷を辿る本。古代、日本は「波斯(ペルシャ)」や「大食(アラブ)」を天竺の彼方の国々として、中東圏は日本を世界の彼方のワークワーク島として、互いにぼんやりと認識していた。双方が、間に中国やヨーロッパを経由した間接的な情報の伝来であり、地理的に隔絶しているためか、誤解や先入観に基づくイメージが一人歩きする傾向があった。日本は「砂漠」「回教」というエキゾチズム、中東は特に日露戦争以後に「有色人種希望の星」が極端に協調された2017/06/17

可兒

3
石油危機以来初めてと思われていそうな、日本と中東とにあったかなり古くからの関係。特に明治維新後、日露戦争のあたりが大きなショックになっていたことが分かる。ただし双方に多くの誤解が含まれており、現代にもその傾向があることを忘れてはならない2013/05/17

2
シルクロードの交易から、石油ショック&湾岸戦争までの日本と中東世界の交流の構図を提示する。我が国と直接的な交流が少なかった中東だが、産業革命以降の欧米諸国とアジア諸国の対立との中で、同じ被圧民族として交流を深めていった等、外交課題での共通項から読み解いていく姿勢はこの本以外にはあまり見かけない。全体的に好印象であるように書かれているが、今回の震災における中東諸国の日本への災害医療スタッフ派遣を報道を通じて見る限りでは、実際にその通りなのだろう。最も遠いようで、同じ「アジア」としての親近感もある。不思議。2011/04/07

Kenji Suzuya

1
具体的な資料に依拠して、近代以前、中東は日本にどのように認識されていたか、日本は中東にどのように認識されていたか、というように、相互通行的に記された著作。どちらも西洋諸国や中国を介しての間接的な認識であり、いずれもよき異国情緒や憧憬に溢れていて、現実からは少なからず乖離した認識であった。歴史の話であるとはいえ、この延長に現代も存在しているのだ、ということは忘れてはならないことなのだろう。2013/03/19

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