出版社内容情報
古墳の副葬品の中で,首長にとって最も顕著な権威のシンボルであり,その分布を配布とみる見方をめぐって,初期大和政権の支配過程をとらえるとされるのが三角縁神獣鏡である.卑弥呼が魏より下賜された鏡とも,呉の工人が日本で製作した鏡とも言われている.
内容説明
三角縁神獣鏡は、これまで日本からしか出土していない鏡である。中国にも朝鮮にも多くの鏡があり、日本で製作した鏡も多数あるけれども、三角縁神獣鏡ほど問題になる鏡はない。本書ではこの鏡の提起する問題について、私の立場から、できるだけわかりやすく論じる。
目次
1 三角縁神獣鏡の研究史
2 中国人学者の見解
3 広峯古墳の景初四年鏡
4 魏国をめぐる国内・外の状況
5 弥生から古墳へ
6 同笵鏡の配布と分有
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遊動する旧石器人
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1988年12月10日初版(1991年10月5日第2版)。UP考古学選書の第4巻として刊行された本書は、三角縁神獣鏡論に対する雑感という体裁になっている。もちろん、三角縁神獣鏡の研究史や刊行当時の研究動向を述べてはいるものの、近藤氏の主張は、それらに対する疑義としてなされており、特に研究成果によって近藤氏の主張が展開されるものではない。つまるところ、本書の主張がなんであったのかは定かではない。王仲殊氏への痛烈な批判というわけでもない。その原因はあとがきに記されているように、鏡から研究していないことにある。2021/05/10
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