出版社内容情報
沖縄の日本復帰から50年を経て、沖縄の視点から日本史の本質的な理解につながる研究が進展し、あるべき沖縄の関係性がつむぎ直されるようになってきた。本書は、史料的にも散逸・焼失もあって平坦ではなかった沖縄の歴史研究の軌跡をたどりながら、一地域史に留まらない視座を提示し、展望をひらく。
内容説明
沖縄と対話しつつ発展した歴史学の到達点と日本復帰の意味を新たな視点から問い直す。
目次
1 復帰の歴史を考える(沖縄返還にみる占領特権の制度化;東アジア冷戦と沖縄;医療衛生から再考する沖縄米軍占領;軍事資本主義の生権力に抗う「反開発」闘争;日常のなかの冷戦)
2 復帰と琉球沖縄史研究の変容(沖縄の近世・近代転換期をめぐる研究史;徳川帝国のなかの琉球―従属と自律の相剋;“南洋群島”という植民地空間の生成―沖縄出身南洋教育世代の経験から考える;戦後沖縄における資料収集・編纂と近年のデジタルアーカイブの取り組み)
著者等紹介
古波藏契[コハグラケイ]
明治学院大学社会学部付属研究所研究員。沖縄近現代史
吉本秀子[ヨシモトヒデコ]
山口県立大学国際文化学部教授。政治学
成田千尋[ナリタチヒロ]
立命館大学衣笠総合研究機構助教。沖縄戦後史、東アジア国際関係史
増渕あさ子[マスブチアサコ]
同志社大学政策学部助教。沖縄占領史・医療史
上原こずえ[ウエハラコズエ]
東京外国語大学准教授。沖縄現代史・社会運動史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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