出版社内容情報
一帯一路,香港問題,ウイグル問題,米中経済摩擦,台湾問題……習近平時代の中国はどこへ行こうとするのか.東京大学の中国研究者が学部1
内容説明
習近平時代を読み解く。最新の中国事情を気鋭の中国研究者がわかりやすく解説する、現代中国を知るための最新の羅針盤。
目次
1 政治・外交・安全保障(中国の見る世界秩序と地域秩序;習近平政権の特徴―内政と日中関係;「一帯一路」時代における中国少数民族社会の変容と苦境 ほか)
2 経済(中華帝国と一帯一路;中国の台頭と世界経済の変容;デジタルチャイナ)
3 法と社会(中国の憲法改正;都市化政策と農民―「県域社会」の視点から;私のフィールドでの経験―エスノグラフィーによる現代中国研究)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんがく
10
東大の連続講義をもとにした本。各専門家が最新の中国情勢を説明してくれているため参考になるが、一つ一つの講義は短いのでやや物足りない。それぞれの講演者の著書を読んで理解を深めたい。エスノグラフィーの章は特に興味を持てた。わかりやすいグラフと、講義後の質疑応答はとても良い。2021/06/15
鵐窟庵
8
現代中国の政治経済社会について各専門家の連続講義ノート。一通り現代中国を知る上で基本的知識と重要な論点を得られる。中国国内で国際社会的な国家間の格差を利用した経済構造や、国家分裂の危機から先進技術を駆使した世界最先端の治安維持技術など、現代中国の孕む矛盾点が説明されている。他にも香港・台湾問題も載っており、世で言われる一般的な脅威論に留まらない複雑な背景を有している。データやエビデンスで公表されていないものがあるため、単一視点による分析では決して全体像を捉え切れず、総合的な俯瞰が必要である。2020/06/07
とんこつ
7
政治・経済・法と社会の三部構成。特に第二部・第三部がデータをもとに議論が展開されており、参考になる箇所が多くあった。一帯一路に関して、立場の弱い国々を債務の罠に陥れるためという見方が根強いが、それでもそういった国々が中国を受け入れる理由は何故かという視点は興味深い。また米ドルで沿線各国への投資が行われていることを考えると、熾烈さを増す米中関係ではあるが、どこか現実的な地点で落としどころを見つけなければ、中国としても苦しいだろうと感じる。2020/07/17
ヒロユキ
4
現代中国について経済や政治、領土問題など複数の教員から様々な切り口で紹介されるオムニバス講義 こんな講義を生で受けてみたかったが、本を読むだけでも十分に楽しめた 西洋的な価値観で中国を見ようとすると内情を見誤る 日本から見て中国のことが「よくわからない」とされがちなのは、中国政府の情報統制による部分もあるだろうが、そうした既存の世界秩序ベースで判断しようとする行為そのものにあるのではないかと思った2023/01/31
Ise Tsuyoshi
2
2018年度秋学期の東大駒場講義の書籍化。政治・外交・安全保障・経済・法・社会と、様々な切り口で中国を読み解く。日々刻々と変わる中国を知るために、基礎として知っておきたいことが詰まっている。農村を扱った最後の2講は、メディアではなかなか見かけない話で興味深かった。2020/07/30