出版社内容情報
かつて自らを中華世界の南国と位置付けていたベトナムは,フランス植民地支配やベトナム戦争を経て,冷戦構造が崩壊した今,東南アジアの一員としての自覚を見出しつつある.そのナショナル・アイデンティティの展開を,世界史の流れのなかにおいて考える.
内容説明
国際社会に飛躍するベトナム。冷戦構造が崩壊した今、ベトナムはいかなる世界に自らを定位しようとしているのだろうか。そのナショナル・アイデンティティの展開を、世界史の流れの中において考える。
目次
第1章 中華世界の南国
第2章 フランス植民地支配とナショナリズム
第3章 ベトナム史におけるインドシナ共産党
第4章 独立が現実となった時代と「地域国家」ベトナム
第5章 冷戦期の「普遍国家」ベトナム
第6章 「地域国家」への道
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kure
1
もっと早く読んでおけば良かった、と思える良書。多民族国家としてのベトナムの自己定義の変遷は、国民国家について考えるときに重要な示唆となるだろう。2022/11/13
ぴよぴよーーーーー
1
古来より中国・フランス・アメリカと大国に支配され続けた歴史を持つベトナム。その唯一無二の歴史観は常に自らの位置を模索し続けたアイデンティティーの変遷に有り。東南アジアの「地域国家」になるまでのベトナム史について単なる歴史とは違った視点から切っている。非常に面白い一冊。2017/12/31
ろーじゃ
1
ベトナム人はラオスやカンボジアを、"時には同胞、時には夷狄"と見ている点や、国民国家としてのベトナム、地域としてのインドシナの範囲が、知識人によって定義が異なっていた所が複雑でした。 小中華世界とフランスの西洋文明の間で、常に自国の在り方に悩み続けた、ベトナムの苦労が伺い知れます。2012/08/09
みほ
0
先週、はじめてベトナムの地に降り立った。中国、フランス、ロシア、アメリカ…。つねに自立を阻害され荒れた歴史に貧しい生活…。安直な表現だが、アメリカに負けなかった彼らをもっと知りたい。経済発展も目覚ましく、手に取る服もベトナム産が増えてきた。いずれ、アジアを代表する国になるかもしれない。本書は本格的に学ぶのにいいだろう。単なる歴史の羅列ではなく、意識の形成、謎にも挑んでいく。2016/11/23
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