出版社内容情報
秦,漢より明,清にいたる中国経済史に関する15篇の論考を収める.中国古代農業の展開過程,土地制度史の諸問題,商品生産の展開とその構造の三部にわたって広汎な中国経済の歴史展開を追究する.
内容説明
本書は三部構成。第一部には、戦国・秦漢時代より唐代にいたる農業の発展過程に関する諸論考を収録し、第二部には、三国時代の魏の屯田制、北斉河清令中の均田制、および新らしく発見された大谷探検隊将来の吐魯番出土文書を史料とした唐代均田制の施行状態の再検討、などに関する諸論考を収録。第三部には、十六・十七世紀を中心とした中国初期棉業史に関する諸論考が収録されている。
目次
第1部 中国古代農業の展開過程(中国農業史の問題点;秦漢時代の農学;代田法の新解釈;火耕水耨について―江淮稲作農業の展開過程;碾磑の彼方―華北農業における二年三毛作の成立)
第2部 土地制度史の諸問題(中国土地制度史の問題点―均田制を中心として;魏の屯田制―特にその廃止問題をめぐって;北斉河清三年田令について;吐魯番出土文書より見たる均田制の施行状態―給田文書・退田文書を中心として)
第3部 商品生産の展開とその構造―中国初期棉業史の研究(十六・十七世紀を中心とする中国農村工業の考察;明代における木棉の普及について;中国初期棉業の形成とその構造;中国初期棉業市場の考察)