出版社内容情報
地域の芸能からはじまり、社会全体に浸透する能楽を中世という時代に描き出す。日本中世史学の第一人者による待望の能楽論。
地域のなかで演じられていた芸能が,社会全体に浸透するまでにいたった背景を,作品の内容や芸能者を輩出した座の構造から明らかにする,日本中世史学の第一人者による待望の能楽論.庶民の生活に根ざしつつ,時の権力者に受容されてきた寿祝性のなかに,中世社会の特質と文化的側面を明らかにする.
【著者紹介】
脇田 晴子
脇田晴子:滋賀県立大学名誉教授/石川県立博物館館長
目次
総論 総合芸能としての猿楽能―老若男女貴賎都鄙の芸能
第1部 神々と地域社会の中世(神能の位置―猿楽能の寿祝性と在地共同体;夢幻能の変成―栄光を語る亡霊の出現;時代を映しだす物狂能―異性・子売り・母性;虚構の「中世神話」の形成―能楽・神道集・縁起を中心に)
第2部 表現のなかの女性たち(着衣する身体―能楽における女装束;能楽における女の語り)
第3部 芸能の場の成立(中世芸能座の構造と差別;中世猿楽座の組織構成―結崎座・円満井座の座規約を中心に)
著者等紹介
脇田晴子[ワキタハルコ]
1934年西宮市に生れる。1956年神戸大学文学部卒業。1963年京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得。1969年京都大学文学博士。現在、石川県立歴史博物館館長、滋賀県立大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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