出版社内容情報
中世農民の生活と生産の場である荘園村落の実態と諸相を,制度的分析をふまえ,権力との葛藤の軌跡を追いながら,歴史地理学的手法を駆使して解明.最新の荘園絵図研究の成果をも組み込み,新稿三篇を加えて編んだ論集--荘園村落史研究の新水準を示す労作.
目次
序論 日本中世村落史の課題と方法
第1部 中世村落と荘園制・領主制(荘園制的領域支配をめぐる権力と村落;荘園制形成期の領主と農民―東大寺領伊賀国黒田荘;東国における領主制と村落―上野国新田荘を中心に;鎌倉時代の東国農村と在地領主制―常陸国真壁郡を中心に)
第2部 中世村落の様相(初期中世村落の構造と役割;中世村落の展開と用水・堺相論―高野山領名手荘と粉河寺領丹生屋村;中世の宮井用水について―紀ノ川灌漑史序説)
第3部 荘園絵図の読解(荘園絵図の史科学;〓田荘絵図と堺相論;菅浦絵図のコスモロジー)