出版社内容情報
「機械の知」の実現と「人間の知」の解明を目指す人工知能,認知科学の成果を吟味し,二つの知の特質とその乖離を議論する.神経生理学,計算機科学,言語学など諸科学との関係,ニューロ計算機,コネクショニズムなど知への多様なアプローチの可能性を探る.
内容説明
「機械の知」の実現と「人間の知」の解明を目指す人工知能、認知科学の成果を吟味し二つの知の特質とその乖離を埋める多様な知へのアプローチを論じる。
目次
1 機械の知(知の計算モデル;問題解決と記号計算;言葉の理解;まとめ)
2 人間の知(認識の情報科学への計算論的アプローチ;学習の計算モデル;認知と推論の統合的計算モデル;超並列情報処理のモデル;認識の情報科学―将来に向けて)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月をみるもの
6
日本のAI業界(?)を代表する重鎮ふたりの、若かりし頃のコラボ。辻井さんの「機械の知」パートが圧倒的に面白い。 “この神様機械(万能チューリングマシン)は、本当に存在するのだろうか?証明は省略するが、その存在は簡単に実感できる。たとえば図1.7 の機械の動きを模擬した読書は、この神様機械であった。すなわち、チューリングマシンの定義を解釈する規則だけを教えられて、その規則を使って、個別マシン(掛け算の機械)を模擬したことになる。時間がなくて神様になれなかった読者は、汎用計算機を考えればよい”2019/03/22