出版社内容情報
「罪」の観念が時代を追って発達,肥大化し,人々の生活を規制する,それが前近代インド社会の姿であった.本書は,豊富に残るマラーティー語史料の世界を立脚点とし,インド社会の歴史を「罪の文化」の展開として描きだすとともに,それが大きく変容を迫られることになる近代の到来を展望する.
内容説明
人々は何を恐れたのか?古代から引き継がれ、肥大化する「罪」の観念。植民地的近代との出会いがもたらした断層。歴史の最深部を探っていく。
目次
序章 サティーの薪の山から落ちた女―法典の規定と社会の現実
第1章 身に付着し、伝染する罪―罪の浄めの儀式(ブラーヤシュチッタ)(罪の浄めと罪の伝染―法典の規定;マラーター王国における罪とその浄め ほか)
第2章 人の罪・神々の怒り―鎮めの儀式(シャーンティ)(古典文献における鎮めの儀式;マラーター王国宰相政府による鎮めの儀式 ほか)
第3章 警察署長(コートワール)ガーシーラームの死―王・国家の正義(ラージャ・ダルマ)と社会の正義(ダルマ)(マラーター王国の統治理念;ガーシーラーム・コートワール事件 ほか)
終章 罪と穢れ―植民地的近代への展望(デュモン「カースト制度論」の問題性;植民地支配下における浄‐不浄意識の浸透)
著者等紹介
小谷汪之[コタニヒロユキ]
1942年埼玉県に生まれる。1966年東京大学文学部東洋史学科卒業。1970年東京大学大学院人文科学研究科修士(東洋史)修了。東京都立大学名誉教授、博士(史学)
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感想・レビュー
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in medio tutissimus ibis.
うどん