出版社内容情報
漢方の背景にある考え方を思想史の側から追求する.治水は循環器系に通じ,呼吸器系は気など,心と身体の調和をめざして,風景としての身体がエコロジカルに捉えられてゆく.古代思想のこの全体性こそ,もう一つの〈医〉の思想であった.
目次
第1章 薬王―治癒神の誕生(シルクロードの医人と幻人;使徒行伝)
第2章 神医―正統と異端の間(シルクロードから来た病;華佗の医術)
第3章 気―中国医学の水脈(風と水―気の医学の生成;気と血―気の医学の構造)
第4章 脳と心―精神のあかりをめぐって(「君主之官」;「神明之主」;「元神之府」)
第5章 怒りと病―精神療法の世界(精神療法の多義性;祝由―原始精神療法;病気観の新パラダイム;活套―中国式精神療法)
結び 中国医学のエコロジー