出版社内容情報
傷つきから立ち直る力を資質・獲得という観点から整理。尺度を作成してレジリエンス要因には個人差があることを明らかにし、資質的要因の少ない人が後天的にレジリエンスを高めるための臨床的サポートのあり方を模索する。二次元レジリエンス尺度を用いた研究のレビューを増補。
【第1章 レジリエンスという「心の強さ」より】
もう一つの「心の強さ」が,傷ついても回復する力,すなわちレジリエンスである。この「心の強さ」は,一つ目の強さのように「弱さ」と同じ軸の対極にあるものではない。なぜなら,ストレスに対して傷ついたり,落ち込んでしまう「弱さ」を持っていても,その後立ち直り,前に進んでいける人がいるからである。傷ついても,そこから立ち上がることのできる力がレジリエンスであり,それは「傷つかない」力とは少し異なる。つまり,このレジリエンスは,たとえ「弱さ」を持っていても,同時に持つことができる強さであると捉えられる。
【目次】
新版刊行にあたって
はじめに
第Ⅰ部 レジリエンスは誰もが身につけられるか
1.レジリエンスという「心の強さ」
2.レジリエンスとパーソナリティをめぐる先行研究
3.本書の目的と構成
第Ⅱ部 レジリエンスの資質的要因と獲得的要因とは何か
4.資質的要因・獲得的要因を測定する尺度の作成(研究1)
5.資質的要因・獲得的要因の妥当性の検討(研究2)
第Ⅲ部 獲得的要因を身につければレジリエンスを高められるのか
6.資質的要因・獲得的要因の時間的変化(研究3)
7.資質的要因・獲得的要因のリスクに対する効果(研究4)
第Ⅳ部 資質的要因と獲得的要因の導くレジリエンスはどう異なるか
8.資質的要因・獲得的要因と「傷つきからの立ち直り」(研究5)
第V部 資質的要因の少ない人への臨床心理学的介入のために
9.個人差に応じたレジリエンスのサポートとは
10.二次元レジリエンス要因尺度を用いた研究の広がり――資質的要因と獲得的要因の理解を深める
おわりに
資料 二次元レジリエンス要因尺度
内容説明
傷つきやすい人には、「強い」人とはちがう立ち直り方があった。それぞれの自分らしい回復の道筋を知りたい人・支えたい人に。「折れない心」を資質的側面・獲得的側面から分析した注目の書。二次元レジリエンス要因尺度を用いた研究のレビューを追加。
目次
第1部 レジリエンスは誰もが身につけられるか(レジリエンスという「心の強さ」;レジリエンスとパーソナリティをめぐる先行研究;本書の目的と構成)
第2部 レジリエンスの資質的要因・獲得的要因とは何か(資質的要因・獲得的要因を測定する尺度の作成(研究1)
資質的要因・獲得的要因の妥当性の検討(研究2))
第3部 獲得的要因を身につけることでレジリエンスを高められるのか(資質的要因・獲得的要因の時間的変化(研究3)
資質的要因・獲得的要因のリスク要因への効果(研究4))
第4部 資質的要因・獲得的要因の導くレジリエンスはどう異なるか(資質的要因・獲得的要因と「傷つきからの立ち直り」(研究5))
第5部 資質的要因の少ない人への臨床心理学的介入のために(個人差に応じたレジリエンスのサポートとは;二次元レジリエンス要因尺度を用いた研究の広がり―資質的要因・獲得的要因の理解を深める)
著者等紹介
平野真理[ヒラノマリ]
2007年日本女子大学人間社会学部心理学科卒業。現在、お茶の水女子大学基幹研究院人間科学系准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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