出版社内容情報
従来の宗教概念を超えた、新しい宗教研究の語りを構想した実存的な学問の試み。
いま〈宗教〉を語りなおすとはどのようなことか.西洋発の宗教概念は,オウム事件そして大震災以降の日本社会において大きくゆらいでいる.自らを徹底して脱構築した彼方に,浮かび上がる新しい宗教研究の可能性.旧来の学問研究に一線を画す,実存的な学問の試み.
はじめに――宗教的想像力への跳躍
I 宗教研究の突破口
1章 宗教を語りなおすために――宗教研究とポストコロニアル状況
2章 宗教概念論を超えて――ポストモダニズム・ポストコロニアル批評・ポスト世俗主義
3章 宗教概念あるいは宗教学の死――宗教概念論から「宗教の回帰」へ
II 日本の宗教学と宗教史
4章 〈日本の宗教学〉再考――学説史から学問史へ
5章 多重化する〈近代仏教〉――固有名のもとに
6章 〈日本宗教史〉の脱臼――研究史素描の試み
III 宗教概念と神道、そして天皇制
7章 近代日本と宗教――宗教・神道・天皇制
8章 逆説的近代としての神道――近代知の分割線
9章 神道的エクリチュールの世界――版本から活字本へ
10章 いま、天皇制を問うこと――主体化形成・例外状態・帝国の喪失
補論 植民地朝鮮と宗教概念
あとがきにかえて
【著者紹介】
磯前順一:国際日本文化研究センター准教授
内容説明
西洋社会で生まれたキリスト教的・プロテスタント的な宗教という概念は、オウム事件や大震災を経験してきた日本社会においても、大きくゆらいでいる。従来の宗教概念・宗教学を徹底して問いなおしてゆく彼方に、新しい宗教研究の可能性がうかびあがる。荒涼とした現実に向きあう言葉だけが、希望を語りうる。
目次
1 宗教研究の突破口(宗教を語りなおすために―宗教研究とポストコロニアル状況;宗教概念論を超えて―ポストモダニズム・ポストコロニアル批評・ポスト世俗主義;宗教概念あるいは宗教学の死―宗教概念論から「宗教の回帰」へ)
2 日本の宗教学と宗教史(“日本の宗教学”再考―学説史から学問史へ;多重化する“近代仏教”―固有名のもとに;“日本宗教史”の脱臼―研究史素描の試み)
3 宗教概念と神道、そして天皇制(近代日本と宗教―宗教・神道・天皇制;逆説的近代としての神道―近代知の分割線;神道的エクリチュールの世界―版本から活字本へ;いま、天皇制を問うこと)
補論 植民地朝鮮と宗教概念
著者等紹介
磯前順一[イソマエジュンイチ]
1961年生まれ。文学博士(東京大学)。国際日本文化研究センター准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mittsko
RKG
shin