出版社内容情報
シオニズム運動の枢要を担ってきたロシア帝国出身のユダヤ人たち。しかし彼らのなかには、シオニストでありながらあえてロシアにとどまる「ロシア・シオニズム」思想の系譜が存在した。歴史的な文脈を丁寧にたどりながら、シオニズムの新たな側面に光をあてる。新たに補論を加えた待望の増補版。
【日本社会学会奨励賞受賞】
【目次】
序 章 パレスチナに行かなかったシオニスト
第1章 ロシア帝国におけるシオニズムの生成:一九世紀終わりのロシア・ユダヤ人と初期のシオニズム
第2章 「ネーション」概念にはいかなる利点があったのか:集団内アイデンティティと集団間アイデンティティ
第3章 本質規定を忌避するナショナリズム:純粋な社会性の追求
第4章 シオニズムの「想像の文脈」:ロシア・シオニズムは何を持ってパレスチナに入ったのか
終 章 一九一七年:消えた帝国、散っていった夢
補 論 シオニズムの特殊性の普遍的起源