出版社内容情報
文化がつねに社会・政治との緊張関係のなかにあった20世紀ロシア.バフチン,トロツキイ,マレーヴィチ,シャガール,ロートマン,〈余白の哲学〉は,"外部"との闘争/対話から逃れられぬ状況下,どのような思想・芸術を展開しようとしたのか.1920年代のアヴァンギャルドから,スターリニズムを経て90年代の混沌へ,ロシア文化史を見渡しながら,バフチンの対話哲学が真に向かおうとしたところを再考する.
目次
1 脱中心化の対話原理(バフチンと全体主義―カーニヴァル・スターリニズム・ソボールノスチ;全体主義と言語学)
2 芸術のアヴァンギャルドと政治のアヴァンギャルド(“アヴァンギャルド・パラダイム”は存在するのか;フォルマリズム論争再読―きたるべき詩学のために;トロツキイ―芸術への過剰な期待 ほか)
3 言語崇拝と言語批判(言葉はロシアを救う?―固有名の問題;ロートマン的テクスト論の射程;“余白の哲学”のミクロポリティクス)
著者等紹介
桑野隆[クワノタカシ]
1947年徳島に生まれる。1970年東京外国語大学卒業。東京大学教授を経て現在、早稲田大学教育学部教授
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