出版社内容情報
自らの存在の不可解・不透明さ,そこからの超越の機制を日本思想史のうちに探る.古代における霊異,あるいは中世に他界として観念されたもの,また近代の日本人は“超越的なるもの”をいかに捉えてきたか.過去との対話のうちに自覚的な生のあり方を問う.
目次
第1章 現世と超越―日本霊異記の世界
第2章 超越の様相―三宝絵をめぐって
第3章 情による超越―他界から虚構へ
第4章 日常と自由―俳諧の行方
第5章 人倫日用における超越―伊藤仁斎の場合
第6章 〈空想〉のコスモロジー―清沢満之の〈内〉への超越