出版社内容情報
一千年にわたりイスラム社会の支配者として君臨し、カリフ・スルタンの地位をも左右した奴隷軍人マムルーク。その実像に迫る。
一千年にわたりイスラム社会の支配者として君臨し,カリフ・スルタンの地位をも左右した奴隷軍人マムルーク.異教世界出身の奴隷に教育を施し,解放し,能力により登用し,さらに支配者として彼らを受け入れる社会.イスラム理解の一つのカギがそこにある.
【著者紹介】
佐藤 次高
佐藤次高:東京大学名誉教授
内容説明
名著の復刊。イスラムを理解する「鍵」を奴隷軍人の歴史から提示する。
目次
第1章 初期イスラム社会の奴隷
第2章 マムルーク軍人の台頭
第3章 マムルークと黒人奴隷兵
第4章 マムルーク朝社会の奴隷軍人
第5章 マムルーク体制とイスラム
第6章 エピローグ
著者等紹介
佐藤次高[サトウツギタカ]
1942年横浜に生まれる。1965年東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文社会系研究科教授、財団法人東洋文庫研究部長、史学会理事長、早稲田大学文学学術院教授を歴任。2011年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MUNEKAZ
1
イスラム世界の奴隷戦士について述べた本。「奴隷」というと悲惨な面ばかり想像するけど、異教徒や被征服民がイスラム世界の中で立身出世をするための手段であったことが興味深かった。奴隷制が社会の流動性を促すシステムとして機能していたからこそ、その廃止に長い時間がかかったのであろう。またやはり奴隷階級が支配することに対する自由民の反発があったことを知れたのもよかった。2016/07/11
よし屋
0
山川出版社の「詳説世界史B」の編者として知られるイスラームの大家・佐藤次高先生の復刻版。3000円は高かったですが、教科書では伝えきれないマムルークの内実について大変興味深く書かれています。教科書や東大入試の「あそこかあ」と思ってニヤッとしてしまう記述が随所に・・・。 2014/10/01