出版社内容情報
日本の社会科学への危機感、根源的な問いかけを自らに突き付け、明治から現代に至る社会科学を歴史的・総合的に問い直す。
「日本の社会科学はこれでよいのか」という根源的な問いを自らに突き付け,明治以降,現代に至る社会科学を歴史的に,日本の社会そのものの発展との関連において総合的に,日本と他の社会との比較の視点を含めて総括する.社会科学の現状への問題提起の書.
【著者紹介】
石田 雄
石田 雄:東京大学名誉教授
内容説明
近代以降の学問と社会を総括、日本の歩みを鮮やかに映し出す。名著の復刊シリーズ。
目次
1 「一国独立」と国家学
2 「社会」の意識化と社会政策学会
3 「民衆」の登場と市民社会の自己主張
4 「階級」の出現と「社会科学」
5 危機意識と「民族」協同体
6 敗戦後における社会科学の蘇生
7 「市民」の噴出と現代社会科学の課題
著者等紹介
石田雄[イシダタケシ]
1923年青森県に生まれる。1949年東京大学法学部卒業。現在、東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てれまこし
5
どんな職業でも同じだが、そこで働くためになぜにそんな仕事が存在しているのか知る必要はない。誰かがどこかで必要しているからと思っていればよい。ましてや社会科学である。社会という大事なものに関する科学的真理を誰が無視できようか。しかし、そんなものをどこの誰が必要としてきたのか。今となっては、無理強いされる学生以外に顧客がないような気もするが、歴史を繙くと、社会科学は権力を保持する者にも、それを奪おうとする者にも仕えてきた。西洋普遍とその反動としての日本特殊主義の間で揺れてきたのは、社会科学者も例外でなかった。2018/11/17