出版社内容情報
諸文明の比較という新しい観点から全地球的な世界史を描き出す、著者ならではの興味あふれる創見に満ちた話題作を新装復刊。
近代の「科学革命」に始まり,西欧が「世界」であった時代が終わりを迎えている.古代文明からの世界史のタテ軸に対して,諸文明の比較という新しい観点から全地球的な世界史を描くという,著者ならではの興味あふれる創見に満ちた話題作.
【著者紹介】
伊東 俊太郎
伊東俊太郎:東京大学名誉教授
内容説明
文明の比較という独自の視点に立脚、豊かな構想力で世界史を描く。名著の復刊シリーズ。
目次
1 比較文明論の枠組(文化と文明;地球的文明史に向かって ほか)
2 比較科学史の射程(比較科学史の基礎視角;比較数学史への途 ほか)
3 地中海世界―イスラムとヨーロッパ(地中海文明の構造;十二世紀ルネサンス―西欧文明へのアラビアの影響 ほか)
4 比較文明論の対話(比較文明学の建設―対談/梅棹忠夫;比較思想の地平―対談/中村元 ほか)
著者等紹介
伊東俊太郎[イトウシュンタロウ]
1930年東京に生れる。1953年東京大学文学部哲学科卒業。1964年ウィスコンシン大学Ph.D.(科学史)。1978年東京大学教養学部教授。1989年国際日本文化研究センター教授。1995年麗澤大学教授・比較文明研究センター所長。現在、東京大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授、麗澤大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てれまこし
5
冷戦後にハンティントンの文明の衝突論が日本で好意的に受け入れられたのは、すでに比較文明学なんてものがあったかららしい。科学史を専門とする著者は、ルネサンスの起源を辿るうちに、イスラムの欧州に対する影響に行き当たった。単数形の文明を複数形にして、欧州を一地方として扱うという考えは、欧米より日本の方がずっと早い。柳田国男にも既にその萌芽が見られる。欧州ではない近代文明としての日本こそが文明間の中立的な仲裁者たりうるという自負もまた生まれる。一種のナショナリズムだが、こんな使命感でもなければ自己批判も起こらない2018/09/21
Go Extreme
1
文化と自然の対立 精神的価値の文化 物質的発展の文明 精神文化と物質文明の調和 情報過多と自律性喪失 大河文明の成立 基本文明の持続性 理論重視のギリシア 地中海世界の文明交流 12世紀ルネサンスとイスラム イスラム経由のギリシア知 動的枠組みの文明交流圏 近代科学の西欧中心性 西欧科学の相対化 各文明圏の知のエートス 解脱目標のインド思想 人倫志向の中国思想 人類史の段階的革命 地球時代の新変化期 国民国家超えの世界共同体 アフリカ文明の独自性 精神革命の同時多発 思想研究の比較検討2025/04/28