出版社内容情報
カリキュラム改革が進む東大教養学部で,93年度から文系1年生の必修科目として開設されたゼミ形式の「基礎演習」のテキスト.最先端の学問の魅力を紹介し,論文の書き方・口頭発表の仕方・資料の集め方等を収めた「究極の参考書」. 読書界の話題となり,多くの皆様に注目されました.
内容説明
「知」も「大学」も大きく変わろうとしている。制度化された領域を横切り、硬直した知識を捨て、いま、しなやかに開かれた作法と身振りとして「知」がよみがえる―。東京大学教養学部からの挑戦。
目次
第1部 学問の行為論―誰のための真理か
第2部 認識の技術―アクチュアリティと多様なアプローチ(現場のダイナミクス;言語の論理;イメージと情報;複数の視点)
第3部 表現の技術―他者理解から自己表現へ
結び 「うなずきあい」の18年と訣れて
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
146
大学の1~2年で最低限身につけておかなければならない基本的なものということのようです。旧制高等学校で習うようなことです。昔はこのような手取り足取りのような感じではなかったのですが今の大学生は恵まれているのでしょう。しかも内容も楽しそうな感じのものがあり、コミックまで入っています。私の興味は高橋先生の「じゃんけんを通してみる意思決定の戦略」というのが楽しめました。2016/01/18
優希
83
一般教養レベルのテキストですが、東大生が読むことが前提なので内容は難解さを感じます。「知」への入り口を考察しており、その視点は様々なところから見いだしていることから考えても、意外と「知」は周辺に存在しているのではないかと思います。それを発見し、解釈し、伝えていく。これが「知の技法」なのではないかと。そのためには鋭い観察力と自らの思考と照らし合わせる能力が必要なのでしょう。高度な「知の技術」を身につけるためのテキストとして有益です。2016/11/14
SOHSA
36
何十年かぶりに大学で講義を受けているようで面白い。しかし、東京大学がこのような教養を行わなければならないという事態にこそ、日本の大学の問題点があるのかもしれない。テクストの内容自体は大変に興味深い。以下は印象に残った箇所の抜粋。「意識的に「聞き取る」のではなく、自然に「聞こえてくる」,作品の「感じ」-それをつかんだ気になれることが,要するに「読んだ」ということ」(P69 翻訳-作品の声を聞く)「同じころ画家のブラックは、「わたしは物を信じない、信じるのは物と物との関係だけである」といっています。」(→)2014/08/02
田氏
24
1994年初版の東大教養学部基礎演習テキストである。どういった理由があって、そんなものを読むことになったのか。ブックオフに220円で並んでいたからというのも大きな要因だが、ほかに何が考えられるだろうか。どのようなアプローチで考えられるだろうか。考えるということを、考えることのできる人たちはどう考えているのか。そんな興味があったからなのかもしれない。最高学府の後光で目が潰れるかと危惧したが、思ったより読みやすい。執筆者のなかに柴田元幸の名前もあったりして。しかし読みやすい故にかえって難しさを突きつけもする。2021/03/18
山口透析鉄
21
この本は出た頃に大学生協で買って読んだ記憶があります。純粋に読み物としても興味深かったです。仕事のやり過ごし方とかは会社員になってから実感するようになりました。 私も国立大学に進んでいたら、とふと思うところもありました。(赤門にはあまり興味ないのですが) 再読したくなります。