出版社内容情報
フランスの内部/外部という区別の自明性を根本から問い直し,共和国・植民地・異文化・移民等々のテーマについて,言語・文学・歴史・宗教などによる多彩なアプローチを試みる.「地域文化研究」という学問の現在の到達点を示す意欲的論集.
内容説明
「地域文化研究」の豊かな地平を拓く。フランスの内部/外部という区別の自明性を根本から問い直し、共和国・植民地・異文化・移民等々のテーマについて、言語・文学・歴史・宗教などによる多彩なアプローチを試みる。
目次
第1部 思考としての“外部”(触媒としての外部―ヨーロッパ的「精髄」の回帰をめぐって;フランスの歴史家と「ドイツ」―ミシュレとマルク・ブロックをめぐって;「抵抗」するフランス―精神分析の言語論的展開への道 ほか)
第2部 運動としての“外部”(開かれた国家理念が秘める閉鎖機構―フランス同化主義をめぐって;「持たざる者の運動」と自己表象のアート;シャルダンの「つましい望み」とムスリム少女のスカーフ―国家の宗教と個人の信仰 ほか)
第3部 距離としての“外部”(「フランス」の肌の傷―フランツ・ファノン『黒い肌、白い仮面』を読む;王国から植民地へ―マダガスカル、首都アンタナナリヴの変貌;不在の母語―モンテビデオ人としてのロートレアモン ほか)