出版社内容情報
都市の魅力と未来への可能性を、インダス文明、中米テオティワカン、中世ヴェネツィアをヒントに探る。
古代都市のイメージは大きく変わりつつある.インダス文明の諸都市のゆるやかなネットワーク,中米の古代最大都市テオティワカンでの新しい発見.人はなぜ都市を作ってきたのか,その歴史的基層を中世ヨーロッパのヴェネツィアへとたどりながら,改めて都市の魅力と未来への可能性を探る.大学出版部協会ブックレット第3弾.【発行:大学出版部協会/発売:東京大学出版会】
第一章 インダス文明:ネットワーク都市―中央集権的文明観を覆す(長田俊樹)
「大河文明」は本当か?―広大なインダス文明/インダス印大河から離れて/砂漠の遺跡の謎/「城塞」と「パスポート」―都市ネットワーク論に向けて/墓から見えるもの―格差の不在/砂丘が先か,文明が先か/インダス文明は大河文明ではなかった―農業と水害の視点/古代文明観を見直す―「穀物倉」と「アーリア人侵入説」/文明の衰退について考える/ゆるやかなネットワークの存在/都市社会をどう見るか――中央集権的文明観からの解放
第二章 新世界最大の古代都市テオティワカン:英知の集積としての都市(杉山三郎)
閉ざされた空間の多様性/文明の萌芽/認知能力=知恵こそが,文明の基盤をなす/中規模都市ができ始める/完全計画都市,テオティワカン/多くの人を迎える巡礼地として/暦と数の体系/「太陽のピラミッド」と「月のピラミッド」の二元性/墓は語る/古代人の交流―物を集めるネットワーク/文明の確立から崩壊へ――伝わり,つながる文明の諸要素
第三章 水都ヴェネツィア:交易都市から文化都市へ(陣内秀信)
水と共生する町,ヴェネツィア/逆・中央集権的構造都市―複雑に交差する水と陸のネットワーク/都市を解読する/交易都市から文化都市へ/オリエント志向と柔軟性/分散的都市から統合的都市へ/なぜ都市に人が集まるか/城壁の無い町/都市モデル再考/川が結ぶネットワーク/水車の活用/考古学調査がヴェネツィアのイメージを変える/ヴェネツィアの食と産物のネットワーク/ラグーナは自然・環境・歴史の宝庫――文化都市から環境都市へ
【著者紹介】
長田 俊樹
長田俊樹:総合地球環境学研究所名誉教授
目次
第1章 インダス文明:ネットワーク都市―中央集権的文明観を覆す(「大河文明」は本当か?―広大なインダス文明;インダス文字とインダス印章;草原の遺跡、海岸沿いの遺跡―大河から離れて ほか)
第2章 新世界最大の古代都市テオティワカン:英知の集積としての都市(閉ざされた空間の多様性;文明の萌芽;認知能力=知恵こそが、文明の基盤をなす ほか)
第3章 水都ヴェネツィア:交易都市から文化都市へ(水と共生する町、ヴェネツィア;逆・中央集権的構造都市―複雑に交差する水と陸のネットワーク;都市を解読する ほか)
著者等紹介
長田俊樹[オサダトシキ]
総合地球環境学研究所名誉教授/神戸市外国語大学客員教授。神戸市生まれ。北海道大学文学部卒。北大探検部員としてインドの少数民族に出会ったのをきっかけに、1984年から6年間インドのラーンチー大学に留学し、インド少数民族のムンダ人と生活を共にしながら研究を進め、博士号(Ph.D.)を取得。帰国後はムンダ人の言語や文化に関する研究を続け、2003年から2012年まで総合地球環境学研究所教授。その間、インダス文明に関する研究プロジェクト「インダス・プロジェクト」のリーダーを務めた
杉山三郎[スギヤマサブロウ]
愛知県立大学大学院特任教授/アリゾナ州立大学人類学学部教授。1952年静岡県生まれ。東京経済大学経済学部卒業。1978年から1987年までメキシコ国立人類学歴史学研究所にて考古学調査に従事。その後アメリカ合衆国マサチューセッツ州ブランダイス大学、アリゾナ州アリゾナ州立大学大学院で研究を重ね、1995年に博士号(人類学)取得。アリゾナ州立大学研究員、ハーバード大学客員教授などを歴任し、1999年より愛知県立大学助教授、教授を経て、現職に至る
陣内秀信[ジンナイヒデノブ]
法政大学デザイン工学部教授。福岡県生まれ。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。イタリア政府給費留学生としてヴェネツィア建築大学に留学し、ユネスコのローマ・センターで研修。パレルモ大学、トレント大学、ローマ大学にて契約教授を務めた。専門はイタリア建築史・都市史。その業績は国内外で高く評価され、地中海学会賞、イタリア共和国功労勲章(ウッフィチャーレ章)、ローマ大学名誉学士号など、多数の賞を受けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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