出版社内容情報
此の世に不可思議なことなどないと洲齋は言った。
「ないかの」
「ありません。起きた以上は必ずそうなるだけの理由があるのです。乾坤の間に理が通じぬものなど、ただの一つもありませんよ。
理が通じないのは、この――
人の心だけ。
狐猟師の稲荷藤兵衛の裏の仕事は人の嘘を見抜く洞観屋。ある日、老中首座水野越前守の改革を邪魔する者をあぶり出せとの命を受ける。その者たちは奇手奇策を用いて衆生を惑わし、人心を恣にする化け物遣いというが……。
江戸の巷に暗躍する御行の又市一味の物語、堂々完結!
【目次】
内容説明
乾坤の間に理が通じぬものなど、ただの一つもありませんよ。理が通じないのは、この―人の心だけ。狐猟師の稲荷藤兵衛の裏の仕事は人の嘘を見抜く洞観屋。ある日、老中首座・水野越前守忠邦の改革を邪魔する者をあぶり出せとの命を受ける。その者たちは奇手奇策を用いて衆生を惑わし、人心を恣にする化け物遣いというが…。江戸の巷に暗躍する御行の又市一味の物語、堂々完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
naolog
9
読み始めてから何日かかったか分からない…。前作で水野忠邦への伏線があり、江戸の政と化け物達の物語。ついつい現代に重ね合わせてしまうような皮肉があちこちにある。ほぼ姿を見せない又市、再読したくなってくる。2025/08/07
ソラ
7
【読了】B 長い話だったが、文章やキャラがしっくりくるので長いと思わせず、終盤ではもう終わりなのかと物足りなく思うほど。 シリーズ最終作ということで、時代が移ろいで行くとともに綺麗にたたまれたなぁという印象。2025/07/06
ぼろべんち
0
訳あって読書、特に小説からは遠のいていたが、久しぶりに小説を読みたい気分になり挑んだ巷説百物語完結巻。リハビリには少々ページ数が多すぎやしませんか? 是非シリーズ全巻を読んでからお読みください。又市の人は殺さぬという理想も含めて、人は死ぬ、死ななければおさまらないみたいなのが詰まっております。2025/08/31