出版社内容情報
京極 夏彦[キョウゴクナツヒコ]
著・文・その他
内容説明
自分の目となり耳となって遠野保の民草の動向を見極め、逐一報告せよ。盛岡藩筆頭家老の密命を受け、御譚調掛として市井の噂話を蒐集する宇夫方祥五郎。座敷童衆に花嫁衣装を着たのっぺらぼう、火を吐く怪鳥、雪女。集まる「ハナシ」は虚実曖昧で荒唐無稽なものばかり。だが、迷家に棲む男と出会い、その裏に、法で裁けぬ悪を祓う小悪党たちが暗躍していたことを知ってしまったことから―。大好評巷説百物語シリーズ!第56回吉川英治文学賞受賞作。
著者等紹介
京極夏彦[キョウゴクナツヒコ]
1963年生まれ。94年『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で第四九回日本推理作家協会賞(長編部門)、97年『嗤う伊右衛門』で第二五回泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で第一六回山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で第一三〇回直木三十五賞、11年『西巷説百物語』で第二四回柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
18
終わったと思っていた巷説百物語シリーズがまた読めてうれしい。今回の舞台は遠野。小股くぐりの又市の仲間、長耳の仲蔵と六道屋の柳次が仕掛ける。語り手は宇夫方祥五郎が山岡百介の立ち位置。「好日好書」の『遠巷説百物語』京極夏彦インタビュー → https://book.asahi.com/article/143963442022/11/01
naolog
8
この中央公論新社のノベルスの感触が好きで、四六判で読んだのに買いなおした。岩手は少し入り口にはいった程度で、遠野にはまだ触れたことがない。波山で描かれているように、現代ではどこの誰が犯人で加害があって…そこに救いが無いこともきっと多い。化け物が機能していた時代や場所もきっと捨てたもんじゃない。2025/03/02
中島直人
5
ページ数の割に冗長な感じがしない。民譚に触れながら、多様な人達の様々な人間模様や出来事が流れていると、最後に全ての伏線が回収されて、すっきりさせてくれる。これだけの文量を整然と構築出来る著者の技量に圧倒されます。2022/10/11
花嵐
5
★★★★☆ 巷説百物語シリーズ。今作の舞台は遠野。最後の話ではあの男も登場している。いつものように嘘と実が入り乱れて最後にはどの話もちゃんと決着がつくわけだが、それにしても相変わらずこのシリーズはどれも雰囲気がたまらなく良い。何とも言えない物悲しさと共に一種のすっきり感もあるというか。この読後感を味わいたくてこのシリーズを読んでいると言っても過言ではない。「了巷説百物語」も楽しみだなぁ。2022/10/06
らくだ
5
今回の百物語は妖怪の本場遠野が舞台です。難解な感じの読み方に最初は戸惑いますがびっくりするぐらいシンプルな構成ですごく読み易いです。登場人物達もまじめで何となく好感がもてます。2022/09/01