出版社内容情報
シン少年には将来を絶望するほどの何があったというのか? そして楽土という神に守られた異界に、迫る危機とは? 急転の第2巻
内容説明
天路ノ国の北の果てに『楽土』はある。少年・シンはここで、伝説の音導師イーオンと暮らしていた。『楽土』の中でも『真の楽土』と呼ばれるそこは、夢も希望も持たぬ心穏やかに死を待つ者たちのための場所である。幼き少年は、なぜそこまでの絶望を抱えているのか―
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆきちん
44
②夏。ちょっと洋風混じってきた。①で『名無しの少年』だったイーオンの召使いポジションにあるシンが再生するお話。今回の『音討議』テーマは「楽土は誰が為にあるのか」。伝説の音導師イーオンの音討議(ディベートみたいの)の結論にも感動したし、その過程で明らかになるシンの過去、真実も…良かったねぇ!世界が広がって何やら不穏な感じて、続きの秋へ。2017/09/05
ひめありす@灯れ松明の火
39
「sin」それは罪の子?「信」の字を与えられ「真」の名持つ師匠の許に送り込まれた少年シンの物語。夏は、少年の為の季節。初めての「親」友。「新」鮮な川海老。「寝」食共にする家の子ども達と過ごした日々。だけど「芯」のない少年の「心」は揺らぐ。「辛」苦がある事が、本当に幸いなのかと。その前に何か示す様に、師匠は八百万の「神」に問う。「震」動する魂。「深」窓の令嬢と化した大好きな友。終わってしまった一つの恋。初めて自分で選んだ道。北「辰」は定められた。幾許かの不安で「浸」蝕されながら。夏が終わり、少年一歩前「進」2013/10/06
ミルルン
35
シリーズ2作目は、出会い、別れを経験し、自分の進む道をみつけていくシンの物語。音討議の場面は少ないけれど、きっちりと決めていくイーオンがかっこいい。普段の姿と違い過ぎですが、どうやらお酒を飲み続けているのにも深刻な理由がありそう…。シンの特別だった夏の終わりを寂しく思いますが、次は物語が大きく動き出しそうな秋。楽しみです。2015/04/20
たるき( ´ ▽ ` )ノ
32
Kindle Unlimitedにて。今回はシン少年のお話。楽しいだけの人生なんてあり得ない。当たり前だけど忘れがちなことが描かれ、改めて今ある幸せをかみしめた。イーオンが心配。2023/08/24
秋製
26
シリーズ物。前回は「春」今回は「夏」。 平和で殆んど代わり映えのない毎日を送っていた「楽土」。可見の一人であるカンナミが元ナナノ里の専属音導師であるサヨを嫁に迎えるなど、楽土にも変化が訪れようとしている(らしい)。現ナナノ里専属音導師であるイーオンと共に暮らし、彼女の身の回りの世話をするシン。イーオン・サヨ・シンは里を離れ、楽土と常世を結ぶ鳥居をくぐり「イチの里」に夏休みを兼ね、祭りを楽しむために訪れる。そこできな臭い不穏は事件に発展し、「音討議」が開かれる。一つ一つと謎が明かされ、新たな謎が浮上した。2013/12/02