内容説明
災獣と呼ばれる巨大な「力」と、人はいかに向き合うのか。龍神が大陸を五つに割り、それぞれの島に守護神としての災獣を配したのは、人と災獣が共に歩む姿を見たかったからかもしれない。神槌・薙古・環天の三国が落ち着きをみせた頃、芳巻之国の災獣・風鳥は己の立場に憤り大暴れをしていた。そこへ律花之国の国主一族の姫が、芳巻国主の側妃として嫁ぐこととなった、が。―律花の姫は婚儀にカケラほどの興味もなく―。第7回C・NOVELS大賞特別賞受賞作、シリーズ完結。
著者等紹介
尾白未果[オジロミカ]
千葉県出身。「災獣たちの楽土1 雷獅子の守り」で第7回C・NOVELS大賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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秋製
10
最終巻です。風鳥と呼ばれる災獣がいる国の国主の下に、凍狐と呼ばれる災獣がいる国から花嫁候補として末姫がやってきます。末姫は名前ではなく敬称。風鳥に気に入られないと国主の花嫁になれない。その試練を超えられなかった末姫に、国主である郁耀は彼女に氷晶という仮の名を与えます。氷晶は彫刻作りに興味を持っていてこの国にある五つの工房の1つ、青の工房と呼ばれる工房の「金の瞳」に就任する事になってしまう。お姫様と呼ぶにはやや型破りな所があり、郁耀との恋の行方は曖昧な含みで終わってしまったのがちょっと残念だったかな。2012/12/19
シュエパイ
6
我儘に傲慢に自分を誇示する風鳥と、決して人前に姿を現さない凍弧。全ての災獣たちの物語が、いずこの国もあるべき姿を取り戻したのです、っと。・・・風鳥様、最後、お姫さまにデレた?(笑)あぁ、青の工房がいつか創りだす、誰より傲慢で誰より美しい像、私も見に行きたいのです♪雷獅子と彼の物語は、いつか龍神の巫女が横槍を入れたりするのかな、とか、楽しげな未来を浮かべながら、このシリーズを閉じるのです。よい物語でした。2012/05/27
乙浦(おとうら)
4
シリーズ最終巻。この巻だけで考えると我儘姫鳥の国のお話が弱いし、後半に入ってからの纏め方が急ぎすぎたのがちょっともったいない感じ。2巻に分けて読んでみたかったかな? けれど3巻通していいお話でした。本当の意味でのハッピーエンドではないけれど、でも納得できる終わり方。災獣との関係も含め、皆少しずつ幸せになってて良い。神槌人たちのその後が描かれていたのも嬉しかった。2013/04/18
こんこん
3
なんかこう、今まで以上に俗っぽい風鳥さまでした。でもこの災獣の「神」っぽくなさが魅力だったのは間違いなく。少々ゲスト陣が出張りすぎかなあ、という印象もありましたが、総じてよいシリーズでした。2012/05/27
ASKA
2
最終巻。風鳥はある意味一番人間臭くて、かつ、一番神様らしかったのかも。郁耀の想いにちょっときゅんとしつつ、若干卑屈が過ぎるヒロインにもだもだ。そして脇キャラが相変わらず素敵でした。今回はおにーさんと浮雀かなー。個人的に一番うれしかったのは、穏やかな日々を過ごしている瑞雨のその後が知れたことだったり。あと最後から2個目の挿絵笑った(笑2012/05/31




