内容説明
レティシアは至って気楽に声を掛けた。「よう、ニコラ。久しぶりじゃん」はじかれたようにニコラが飛び上がった。悲鳴を上げなかったのが不思議なくらいの過剰反応だった。ニコラがこれほど恐怖を覚え、緊張しているのには理由がある。レティシアは小柄で陽気で気さくな性格で、まさにどこにでもいる典型的な少年の一人だが、その正体は殺人鬼である。「その…誰か紹介してもらえないかな。こういうことに慣れていて、秘密厳守でうまく処理してくれる人」「ひょっとして俺を犯罪組織の構成員かなんかと勘違いしてねえ?」ニコラの眼が丸くなる。「…違うの?」―連続猟奇殺人事件の犯人(!)だったニコラが、被害者(!?)だったレティにまことに大胆な頼み事を?クラッシュ・ブレイズ、これにて終幕。
著者等紹介
茅田砂胡[カヤタスナコ]
5月3日生まれ。デルフィニアシリーズで小説デビューをはたす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エンブレムT
72
最終巻はオールスターが登場し華々しく終了するのかと思っていたら・・・「目指せ一般市民」のラストを飾るべくファロットの2人が満を持して登場!だったのかー!!想像外な幕引きではありましたが、とても楽しくシリーズを締めくくっていただけたので大満足です♪やー、まさかあの2人が人助け方向で活躍しちゃうとはなぁ・・・。シリーズを読み終えた今『デルフィニア戦記』再読率の高さの謎が解けたような気がしました。こちらのシリーズを読んでからだと、あの物語は初読時とは全く違う楽しみ方が出来るんだねー!エンドレス&リンク地獄(笑)2011/05/17
文庫フリーク@灯れ松明の火
71
オビにはクラッシュ・ブレイズシリーズ完結の文字。『レティシアの場合』『ヴァンツァーの場合』の2編収録。今回はヴァンツァーの方が好き。ネタばれになるので、美少女ビアンカとの会話の一部だけ。『見えるようになって、あたしが美少年のあなたにころりと参ったらどうする?』『非常に残念だ』 著者あとがきで、シリーズ終了となってはいるものの、金銀天使・赤黒ゴジラにもっと暴れさせたい意向。登場人物の名前が漢字だらけの新作は11月になる様子。2010/07/29
文庫フリーク@灯れ松明の火
37
『天使たちの課外活動2』の影響で再読。盲目のビアンカがなんとも男前で痛快。義母・ブリジットのドライブはパピヨン・ルージュの操縦見るよう。ビアンカと一緒にブリジットも再登場して欲しい。キャラが絞られている分、こちらのヴァンツァーの方が圧倒的に魅力的に感じる。ヴァンツァーの初登場は・・・『デル戦』まで再読しそうな自分が怖い(汗)2012/04/03
まりもん
36
やっぱり一般市民を目指すためにはちょっと大人しくしていたのだろうか?狙われていると解っているけどまぁこれぐらいなら妥協しようかなんて・・ヴァンツァーちょっと丸くなりすぎでしょう。2011/08/01
きーみん
27
はぁ〜面白かった!読めて幸せ♪レティはやっぱり、王妃さんは特別なんだね!ヴァツに女の子の友達ができるなんてと、母親目線で感激♪漢字名前の新作も楽しみだけど、大大大好きな赤黒ゴジラ夫婦+悲運な息子の親子団欒が読みたいなぁ。理華さんの画集書き下ろしで書いてくれないかな♪2010/07/29