内容説明
第三帝国の電撃侵攻は北米大陸の半ばを制した。西海岸に追い詰められた合衆国と、カナダで徹底抗戦を続ける日英の三カ国は密かに軍事同盟締結の可能性を探りつつあった。苦戦の友軍に向けた物資を満載して太平洋をわたるTV17船団は、さながら群狼に睨まれた羊の一団だった。Uボートの放つ船団攻撃用誘導魚雷が一隻、また一隻と輸送船を海の藻屑に変えていく。独潜の新兵器は、追いたてにかかった駆逐艦をも血祭りにあげて、暴風雨のように暴れ回る。エヴェレット大佐率いる日英共同対潜護衛戦隊タイフーンは、知力の限りを尽くして姿の見えぬ眼下の敵から船団を護ろうとするが…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鐵太郎
2
かくも凶々しき暴虐のなか、/ いかなる苦難に見舞われようと、/ 勇者は退くことを知らず、ただ誓いを果たすのみ / なればと彼等に問いしものあり、/ 汝等が忠勇をだれに捧しか? / 汝等が武運尽きしとき、 / それを継ぐ者は何処にありしか? / 彼等は答えて曰く、 / いとはかなき者あらば我らはそれを愛で、 / いと哀しき者あらば我らはそれを包む / 安んじよ、安んじよ / 我らは斃れて後も已まず / 打ちてし後もまた同じ / 我ら斃れども挫けず / 挫けざれば失せることはなし 大輔節、絶好調の頃でした。2008/05/22
杞人
2
RSBCではこの巻が一番好きなのだな。まあ、チャールズ・エヴェレット・ヒース大佐のファンだからというのもあるのだが。あと、今更気づいたが、禿頭口髭巨躯で知性の宿る両眼だが「大学教授に見えない」宝洋丸の宗像船長って、伝奇考のあの人だよね。2011/09/13
しかいう
1
諧謔に親しむには成熟した知性が必要であり、楽屋落ちや卑小なあげあしとりには幼児性しかないとのお言葉。まさにRSBCを自己批評するような場面。高峰なイロニズムと境界性に立つ、最後の理性主義者はやっぱりおもしろい。2013/03/02
hijmsxxxx
1
日英枢軸の北太平洋における対潜水戦。これから紛争になってもこれと似たようなことになるのか。散りばめられた諧謔の原点が分かればたのしいのかな?2013/01/31
kh
1
このシリーズの特典(?)で1巻に防空軽巡洋艦「千歳」のイラストが有りましたよね?実はこのイラストがお気に入りで携帯のメアドにしてました。(恥ずかしい)感想になってなくてすいません…が私のお気に入りです。
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