内容説明
ソ連領経由で来襲した米軍機の渡洋戦略爆撃は、日本の重大な決断を促した。膠着状態にある満ソ国境で攻勢に出、ソ連前線の航空基地を潰さねば、帝都の空も護りきれないのだ。やむなく攻勢を決断した陸軍の内部では、独と結んで戦線の拡大を主張する一派が暗躍をはじめていた。だが日本に、伸びきった戦線をこれ以上拡大する体力はない。一度戦端を開いたら鎧袖一触、ソ連を屈服させ、電光石火で有利な条件による停戦を獲得しなければならないのだ。ついにシベリア鉄道を挟んで日ソが激突する、大戦車戦の火蓋が切って落とされた。