内容説明
何があっても医者になるのよ―。無医村ゆえに夫を死なせてしまった母の重く痛切な願いを背負って都会で勉強する兄弟。が、手首を切断された女の死体を残して、突然兄が失踪。しかも、事件の第一発見者となったのは奥飛騨の寒村から出てきた母だった…。気丈な母親と秀才の弟の間で交わされる手紙が、兄について、母について、そして事件についての想像を絶する謎を語り、驚愕の真実を浮き彫りにする著者渾身の本格ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨコケイ
2
三作入り。アンソロジーにも録られた表題作は限界集落の母親と都内で受験準備中の次男との往復書簡で構成。殺人容疑をかけられた長男についてやり取りする中で謎が解かれる。何てことない話だが作り込まれてる。「街で…」は外見上幸せな家族の内実が独白と日記で綴られる。不穏な犯罪計画の顛末は。赤川次郎みがある。「島で…」波や家など〈無生物の語り手〉という往年の実験小説みたいな叙述で人死にが描かれる。個人的には一番好き。どれも「いかに書くか」に意を注いでいる。人や社会を見る目のシニカさの淵源が戦争体験にあるのが後書で判る。2022/10/28
チタカアオイ
1
【図書館】2024/06/05
縛の場
1
無難な印象の中篇集。表題作はなかなかのものだが、構図を完全に見抜くには情報が後出しなのが残念。二作目「街でいちばん幸福な家族」は、古臭さが漂うもののなかなかリアリティがありえぐい。いずれの中篇も人間像は興味深いが、飛び抜けているとは思わなかった。2012/08/30
ささ
0
中編ミステリー『村でいちばんの首吊りの木』『街でいちばんの幸福な家族』『島でいちばんの鳴き砂の浜』3編を収録。どのお話も語り手の語り口に味わいがありました。昭和〜平成初期の香りを味わいたい方へ。2025/02/20
ゆずこ*
0
★★2024/02/02




