目次
1 斜陽の大清帝国
2 アヘン戦争―朝貢体制の動揺
3 太平天国運動
4 上海―「近代文明」の窓口
5 秩序の再編と洋務運動
6 辺境の危機―朝貢体制の崩壊
7 国家建設の構想
8 華人世界の拡大
9 義和団と「新政」
10 辛亥革命
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
俊
19
衰退期の清朝の苦難の歴史を解説している。科挙というのは体制の安定に大いに貢献した制度だが、動乱の時代には国の足を引っ張る側面もあったようだ。知識人が科挙に割いていた知的リソースは相当なもの、という考えにはなるほどと思わされた。欧米人の清に対する行為や黄色人種への差別など、人類の負の歴史についても勉強になる良い巻だった。 2015/10/25
ピオリーヌ
12
1997年の刊。香港返還を間近に控えたタイミングであり、当然それを意識した記述が多い。教科書に1999年のマカオ返還と合わせて載っていたなあと懐かしく思う。ソ連崩壊からまだ6年ということもあり、革命の手放しの称賛への否定、唯物士観の克服への記載が多いとに所に時代を感じる。また巻末の対談が面白い。中国からみた東洋は日本のみであり、韓国は含まないという。アヘン戦争時、中国ではヨーロッパ人へに対する偏見が根強く見られ、2021/06/22
sine_wave
7
さすがに隣国の歴史なのでそれなりの知識があるが、清朝の終盤から辛亥革命まで事ははっきりしていなかったので胸のつかえが取れたように感じる。その部分には日本がおおいに関わっている。自分の友人には満洲で生まれた人もいて歴史がすぐそこまでの感がある。2022/04/19
訪問者
5
再読であるが、この巻はアヘン戦争から辛亥革命までを描いている。本書が出版されたのは香港が中国に返還された1997年であり、それを思うと中々感慨深いものがある。2021/11/22
訪問者
4
本書は香港がイギリスに返還された1997年に出版されており、時代を感じさせる。ともあれ清朝滅亡を描く本巻であるが、この頃の日本は大陸でかなりの活躍をしており、改めて明治維新というものは日本史の中でも特筆すべき大きな変化だったことが伺われる。2021/06/15