感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
竹園和明
30
「昼と夜の巡礼」「鎖と歯」「飛田ホテル」の3篇。「飛田ホテル」は最近再発されたばかり。実際に釜ヶ崎のドヤ街で生活した経験を持つ著者の作風は、路地裏のさらに裏を舞台としたような、カネと欲に捕らわれた底辺の人々の心理を抉る世界。「飛田ホテル」の有池は、出所したものの待っているはずの妻浪江が行方知れずとなっていたため彼女を捜す。仲間の嘲笑と裏切りが徐々に顕わになって行く中、その先に待っていた結末は。地を這うような毎日を送る有池が迎える結末があまりに切ない。これが定めなのか。やり切れない余韻を残した名作だった。2018/03/02
Hundley
0
母に勧められて読んだ。大阪の空襲の結果キタからミナミまで見渡せた、とかは現代からだと想像できないが、梅田周辺の変な道構造を思い浮かべると納得感もあった。この時代を生き抜い方に現代人が勝てる訳がない。2024/12/11
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