出版社内容情報
ルネサンスからロココにいたる西欧絵画を集大成。原画の色調はもとより徴妙なニュアンスをも忠実に再現。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
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第1巻のジョットに始まり、これまでおおよその年代順、様式順に進んできたが、この第5巻ではルネサンスにおける大きな転換点となるダ・ヴィンチの登場である。ヴァザーリに従えば、ダ・ヴィンチによって初めて「自然の忠実な描写と、幾何学的な比例の観念」に加えて「内面的、本質的な表現」が行われるようになったのである。それは最初期の「キリストの洗礼」(ヴェロッキオ)の2人の天使(この部分がレオナルド)に既に明らかである。また比較的初期の「受胎告知」(ウフィッツィの方)の完成度の高さからもそれがうかがえるだろう。2021/09/28