感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yuzi
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横浜市南区出身で大正から昭和にかけて活躍した版画家・川上澄生の作品集第3巻。毎年図書館総合展に行くと必ず寄る古書コーナーで発見。面白い経歴の持ち主で、大正時代に渡米し、その後アラスカで数年缶詰工場の人夫として働く。帰国後は中学校の英語教師となるが、その傍ら版画制作を始める。版画はすべてカラーで、紙も厚みがるもので文庫本とはいえなんだか豪華だ。巻末では川上澄生美術館に収蔵される作品の寄贈者・長谷川勝三郎氏の文章も読める。素朴な小品と、幼少期を懐古する随筆からなる魅力的な一冊だ。明治時代の空気を感じられる。2018/05/15