感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hotspur
1
「この書物は、十四、十五世紀を、ルネサンスの告知とはみず、中世の終末とみようとする試みである」(71)。「(十五世紀においては)情熱の衝動は、じかに、政治行動にあらわれ、利害も打算も無視されることがしばしばだったのだ」(90)。18章「生活のなかの芸術」からそれまでのやや単調な流れが俄然精彩を放つようになる。特に絵画芸術と文学(詩と散文)の比較が面白い。本書には複雑なブルゴーニュ候国の歴史が背景にあるため、堀米庸三先生の解題(素晴らしい)を先に読む方が良いと思われる。2019/09/07