感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
6
文献学的資料批判にもとづく実証史学の父祖であるランケ。一方ではヘーゲル式の思弁的歴史哲学の否定であるが、他方ではフランスのコント的な実証主義にも一線を画していて、ヘーゲルの影響も濃いようだ。歴史叙述は単線的ではなく弁証法的論理が多用されてるし、個人の意図とは独立した神の計画を背後に想定している。歴史に統一性を与えるのは「理性の狡知」に近いもので、神が人間を通じて歴史を織りなす。だから、すべてのものは不完全であるが、全体の中で何か役割を与えられてる。であるから多様性というロマン主義的価値にも寛容になれる。2020/12/31
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- 和書
- 仏教説話画論集 〈上巻〉