中公バックス
日本の名著 〈44〉 幸徳秋水

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  • サイズ 新書判/ページ数 542p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784124004342
  • NDC分類 081

出版社内容情報

「二十世紀の怪物 帝国主義」「兆民先生」「社会主義神髄」「平民主義」「大逆事件前後」(死刑の前ほか) 解説「反戦・平和の原点 幸徳秋水」神崎清

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

レアル

64
彼の故郷の土佐、中村は、自由民権運動の指導者、板垣や中江、植木と数多くの活動家を輩出した土地。そんな中で幸徳秋水は自然とその影響を受けた。新政府と衝突し、投獄されながら自分の信じる考えと貫こうとした秋水。最後は天皇暗殺計画で死刑を宣告された。明治という新しい社会となった今、身分によって貧富の差があってはならないと彼は考える。死刑前日まで、決して過激ではなく、穏やかな気持ちで過ごしたらしい。今と違い、思想が過激と判断されただけで罰をうける時代。さぞや彼らとって生きにくかった時代だったろう。。2015/05/08

nobody

17
幸徳秋水へのレクイエム、追悼として読む。大衆は貧困で言論が可能性を有していた時代。故にこそ社会主義に求心力があったし同時にまた言論の巨魁として処刑されねばならなかった。秋水は啓蒙こそ使命とし天性の詩人であるが故その文章は対句法や反復法に満ちたいわば一個の詩であり、彼の肩書は社会主義者でも無政府主義者でもなく革命家が相応しい。革命は自由・平等・博愛・平和・進歩・幸福・真理・正義・人道に他ならず必然だった。では実際の権力打倒はどうするのかその論考が弱いと敢えて指摘する必要もあるまい。処刑の甘受が物語っている。2017/09/08

Sin'iti Yamaguti

0
社会主義が希望であった時代。幸徳秋水や大杉栄は理想に燃え、理想に死した。幸徳は、田中正造が直訴状執筆を託したことからもわかるように、名文家である。論旨明快である。本人は死刑を意にも介していなかったが、冤罪で葬り去った日本国家権力の卑劣さを憎む。2023/09/12

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