感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AKa
3
まずは「現代の批判」を。これの書評などによく書かれているのは、「今にも通じる」と言うフレーズ。しかし、実際に読んでみて、それに違和感を覚えた。19世紀半ばに著したがめに、「19世紀の現代を描いた」と言う読まれ方をされており、著者自身もそのつもりなのかもしれないが、実は、批判される「現代」は、細かなディテールを変えつつ、キルケゴールが著す以前から存在し、未来永劫存在し続けるのではなかろうか。我々が「反省の時代」だと思い込んでいる現代は、未来の読者にとって「情熱の時代」である可能性がある。2013/10/16