出版社内容情報
自殺を決意した女が偶然、学生時代の友人と再会する。そんな場面から始まる小説の原稿が、編集者の葛城梨帆宛てに届く。
以前新人賞で落選した志村多恵からだった。立場の違う女たちの会話はすれ違い、次第に募る殺意。そして女はある選択をする――
「私をあなたの、共犯者にしてください」
虚実の境が揺らぐ、迫真のミステリー。〈解説〉大久保洋子
【目次】
内容説明
自殺を決意した女が偶然、学生時代の友人と再会する。そんな場面から始まる小説の原稿が、編集者の葛城梨帆宛てに届く。以前新人賞で落選した志村多恵からだった。立場の違う女たちの会話はすれ違い、次第に募る殺意。そして女はある選択をする―「私をあなたの、共犯者にしてください」。虚実の境が揺らぐ、迫真のミステリー。
著者等紹介
葉真中顕[ハマナカアキ]
1976年東京都生まれ。2013年『ロスト・ケア』で日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞しデビュー。19年『凍てつく太陽』で大藪春彦賞および日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)、22年『灼熱』で渡辺淳一文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
となりのトウシロウ
64
編集者・葛城梨帆に送られてきた小説『長い午後」の原稿。送り主は7年前新人賞の最終選考まで残った短編小説「犬を飼う」の作者・志村多恵。「犬を飼う」が冒頭に、「長い午後」も作中作として描かれ、梨帆自身のストーリーと交互に展開される。梨帆はもちろん作中作どれもが女性視点でジェンダーに関わる話で、これを男性である葉真中顕が書いたのが信じられない。女性として虐げられ男性に対する嫌悪が描かれている。そしてそれに共感する様も。どう消化すれば良いのか分からない読後感が残る。評価が分かれる作品ではないかと感じた。2025/10/18
ぴ〜る
15
なんだかいつもの葉真中さんと違った雰囲気だった。なんだろう…読んでいてなんだかモヤモヤしてしまった。2025/10/01
JUN
3
夜が明けて朝日を迎えるような錯覚。 間違いなく、闇に堕ちている。2025/10/15
にににに
1
なんか勝手に就職氷河期世代の味方と思ってたら違った 一抜けしたらそらそうなるか2025/10/14
ひっさん
1
“豊かさ”から“過剰”になってゆく世の中の生きづらさ。喜びや悲しみだけでなく、憎悪にも共感がある。共感は集めるほどに増幅していく。その声が、人を救い、人を壊してしまう。2025/10/08