出版社内容情報
「一編でも読者が心から怖がってくれれば、編者冥利に尽きる」
怪異の名手・三津田信三が自ら選んだ、国内外のホラー名作十三篇。
それに加えて、三津田氏が今作のために書いた「霧屍疸村の悪魔」を収録した珠玉のホラーアンソロジー。
他では味わえない異様さ、不穏さ、無気味さ、そして忌まわしさを、存分に感じてください――。
【目次】
内容説明
「一編でも読者が心から怖がってくれれば、編者冥利に尽きる」―怪異の名手・三津田信三が自ら選んだ、国内外のホラー傑作十三篇。それらに加え、編者にとって特別な存在である《悪魔》について書いた「霧屍疸村の悪魔」を含む珠玉のホラーアンソロジー。他では味わえない異様さ、不穏さ、無気味さ、そして忌まわしさを、存分に感じてください。
著者等紹介
三津田信三[ミツダシンゾウ]
奈良県出身。編集者をへて、2001年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ribes triste
12
三津田信三氏が選ぶ怪異小説集。未読作品が多く、ワクワクしました。じわじわと湧き上がる生理的不快感、結末のない途絶感、ミステリ風味のものまでバラエティ豊か。国内編のじっとりと湿度のある怪異譚と不意打ちで暴力的展開が起こる海外編と、お国柄の趣きも感じられます。最後に三津田信三作品も収録。ピンチなのにユーモラスな「旅行時計」が好きです。2025/08/04
ふるい
4
国内外の名作ホラー十三篇に加え、編者作の短篇も収録したアンソロジー。三津田先生の恐怖のツボが伺えて興味深い。特にゾッとしたのは、田中貢太郎「竈の中の顔」と菊池秀行「茂助に関わる談合」。どちらもじわじわ逃げ場を奪われる感覚が鮮烈で、読後も後を引く怖さがあった。橘外男「逗子物語」はラストが爽やかでお気に入り。海外編では、昨年『五本指のけだもの』を読んで気になっていたハーヴィーの「旅行時計」が読めたことが収穫だった。まさか「ミス・コーニリアス」と繋がりがあったとは。2025/08/09
迦陵頻之急
2
十三プラス一話のうち四話が既読作だが、再読分も含めて読み甲斐あり。特に田中貢太郎「竈の中の顔」と菊池秀行「茂助に関わる談合」が鮮烈。 前近代の因果応報でも近代の心理主義でもない、何が起こったのか、何故起こったのか、誰が起こしたのかまるで解らない不条理路線である。この路線で代表的なのは、江戸の奇談集「新著聞集」から小泉八雲がリライトした「茶碗の中」だろう。菊池秀行の純怪奇小説には全く不案内だったが、ほかの作品もこの水準なら是非もっと読んでみたい。海外勢では掘り出し物の作品と、定評のある作家の作品とが混然と。2025/07/27
Yusuke Mutoh
1
最後のが1番怖かった2025/08/03
jam
0
三津田信三氏の小説はどことなく肌が合わなくて2、3冊しか読んでいないだが、アンソロジーでもどことなく趣味が合わなかった。「ねじけジャネット」とか明らかに黒人差別が根本にある作品をわざわざ今収録しなくてもとは思うが、菊池秀行「茂助に関わる談合」など、好みの作品にも出会えた。2025/08/05