出版社内容情報
食品卸会社の社長・篠原の遺体が高速道路の非常駐車帯で見つかった。京橋署・暴犯係の刑事「映画オタクの勤ちゃん」こと上坂と礒野は、資金繰りに行き詰まった末の自殺と見て捜査を始める。篠原に掛けられた巨額の保険金、不渡りになった手形とそれをサルベージしたヤクザ、そして篠原を巡る女たち……。Nシステムの画像を手がかりに篠原の足取りをたどる地道な調査で明らかになった事件の真相とは? 警察小説の白眉!〈解説〉春川正明
【目次】
内容説明
食品卸会社の社長・篠原の遺体が高速道路非常帯に駐車中の車内で発見された。自殺に見せかけた他殺との疑いを持った京橋署暴犯係の刑事、礒野と上坂は、篠原の足取りを追い捜査を始めるが…。巨額の保険金、不渡りになった手形とサルベージ屋、そして篠原をめぐる女たち。絡まった糸をほぐすような捜査で明らかになる真相とは。
著者等紹介
黒川博行[クロカワヒロユキ]
1949年、愛媛県生まれ。京都市立芸術大学彫刻家卒業後、大阪府立高校の美術教師として勤務。83年「二度のお別れ」でサントリーミステリー大賞佳作を受賞し、翌年、同作でデビュー。86年「キャッツアイころがった」でサントリーミステリー大賞、96年『カウント・プラン』で日本推理作家協会賞、2014年『破門』で直木賞、20年日本ミステリー文学大賞、24年『悪逆』で吉川英治文学賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
禅
25
京橋署暴犯係のジロさんと勤ちゃんのコンビ。口が良く回る大阪弁の掛け合い面白い。しかしこのコンビ、サボっているようで良く稼ぎ捜査も鋭い。勤ちゃんの映画オタク情報は意外と読んでて楽しかった。分厚い本でしたが一気読みでした。2025/09/10
ありん
6
大阪弁で話す刑事たち。経営難の会社の社長の行方不明届を若い妻が提出。普通の行方不明でなく「ヤミ金がらみ」ということで特異行方不明として捜査することになる。辿っていくとヤクザ、ヤミ金、手形など怪しい人達が絡む。捜査を進める中、過去の事故と処理された事案や行方不明のままの経営者にも、その者たちが関わってる事に繋がる。警察の仕事は広さ、時間など関係なく、本当に大変だと思った。2025/08/07
hiroshi
4
大阪府警の磯部“ジロ”さんと上坂“キン(勤)”ちゃんコンビ。堀内・伊達シリーズのようにグルメなトピックや映画マニアな話題も続々と。訊き込みや取り調べ場面がテンポ良くて面白い。キン(勤)ちゃんの映画話しに既読館があったけどこのコンビは何冊目かだったか。2025/08/21
ナツメグ
4
堀内伊達シリーズ好きの感想は、大阪の暴犯係で裏金作らず真っ当に捜査する刑事いるんだ。まともな捜査、連携する係員たち、求められる復命、全てが新鮮。でも、物足りなさを感じてしまうのは相当毒されてる。登場人物一覧で上坂が最初に来ていて、主役は磯部だと思っていたのでちょっと驚く。伊達もそうだけど、グルメで愛想がいい上坂の方が好き。普通の警察小説も面白かった。2025/08/18
S S
2
地元に近い京橋署の物語という帯に惹かれて購入。600ページ超えの大長編だったが面白くてスラスラ読めた。地名など細かい描写が多く、関西人なら馴染みのある地域もあり想像しやすかった。解説にもあったように、警察の内情や捜査手法が詳しすぎるところも素人には新鮮で面白かった。警察小説が好きなので他の作品も読んでみたい。2025/08/15