出版社内容情報
「1960年代。私は勉強もせずに、ポップなものだけを追い求めた。60年代を教科書的に叙述した文化史や社会史とはまったく異なるアプローチで、十二歳から二十二歳のことを書いた」
「少年マガジン」、坂本九、日本語バージョン、「SFマガジン」、ビートルズ武道館公演、東京オリンピック、ジャズ喫茶、アイビー、代ゼミ、フォークゲリラ……。
誰もが時代の目撃者となった時代、すべては「ポップ」だった。
昭和戦後史のピーク「60年代」等身大の実像。
文庫化にあたり、70年代以降の「ポップ少年のその後」を綴る新章を増補。
〈解説〉橋本倫史
内容説明
坂本九、「SFマガジン」、ビートルズ武道館公演、ジャズ喫茶、代ゼミ、全共闘…。一九六〇年代、すべては「ポップ」だった。戦後もっとも濃密な十年間を、もっとも多感な十代に過ごした著者が、時代の熱気とともに綴った等身大のクロニクル。文庫化にあたり、七〇年代以降の「ポップ少年のその後」を綴る新章を増補。
目次
春の雪は学生食堂とキャビアの呪いなのか。
十月、たそがれのバリケード。気がつくと、たった一人だ。
一九六〇年、ネギの町で初めてポップと出会った。
ひとりぼっちのツイストと暴力教室。
漣健児と「ミュージック・ライフ」の時代。
キューバ危機だけど、早く早くお便りネ。
放課後だけはファイティング原田のように。
人気投票と「下を向いて歩こう」というマイナー嗜好癖。
SFマガジンと馬込銀座の本屋で出会った。
僕は悲しき少年兵だったのか。
アイビー小僧から熱帯画家になった福田くん。
僕に貸本マンガと永島慎二を教えてくれた小柳くん。
新宿風月堂でお喋りしていたら、二人とも三流マンガ誌の編集者になっていた。
映画を観るならフランス映画だった、あの頃。
新宿と吉祥寺。高校生の街歩きは危険がいっぱい。
〓という字に少年の妄想はさらに拡がる。
いじけて、すねて、ボートだけを漕いでいた。
ジャズを聴くならジャズ喫茶。渋谷DUETと京都しあんくれーる。
最果ての街、稚内のジャズ喫茶にいた少年兵たち。
ビートルズ来日。あのとき日本武道館の楽屋口で何があったのか。〔ほか〕
著者等紹介
亀和田武[カメワダタケシ]
1949年栃木県生まれ。成蹊大学卒。「劇画アリス」編集長などを経て、フリーに。82年『まだ地上的な天使』でデビュー。90年代にはTBS「スーパーワイド」などテレビ番組の司会者も務める。2009年『どうして僕はきょうも競馬場に』でJRA賞馬事文化賞を受賞。各誌で、テレビ評、雑誌評などのコラムを連載中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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