出版社内容情報
昭和20年、8月15日――
すべて同じ書き出しで始まるのは、忘れてはならない物語。
子ども、大人、動物たち。弱い者の命が無惨に踏みにじられる戦争を、二度と繰り返さない。
その決意と祈りをこめて綴られた12篇に、沖縄戦の悲劇を伝える「沖縄篇」2篇を増補した完全版。
吉永小百合さん推薦。
内容説明
昭和二十年、八月十五日―すべて同じ書き出しで始まるのは、忘れてはならない物語。空襲下の母子を描く「凧になったお母さん」をはじめ、鎮魂の祈りをこめて綴られた十二篇に、沖縄戦の悲劇を伝える「ウミガメと少年」「石のラジオ」を増補した完全版。
著者等紹介
野坂昭如[ノサカアキユキ]
1930年(昭和5)神奈川県生まれ。親戚の養子となり神戸に育つ。45年の空襲で養父を失い、のち、実家に引き取られる。旧制新潟高校から早稲田大学第一文学部仏文科に進むが、57年中退。CMソング作詞家、放送作家などさまざまな職を経て、63年「エロ事師たち」で作家デビュー。68年「アメリカひじき」「火垂るの墓」で直木賞、97年『同心円』で吉川英治文学賞、2002年『文壇』およびそれに至る文業で泉鏡花文学賞を受賞。2015年(平成27)死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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阿部義彦
18
出たばかり。中公文庫新刊。野坂昭如さんが亡くなってからもう十年も経つのですね。そんな野坂さんが書いた戦争に関する童話です。全ての話が 昭和二十年、八月十五日 から始まります。この中では「凧になったお母さん」が良かった。野坂さんと言うと『蛍の墓』の原作者ばかりが有名で、肝心な本業のいかがわしい短編は多分今は版元品切れや絶版なのかなあ?「エロ事師たち」「受胎旅行」なんか読み返したいのですが。 ソ、ソ、ソクラテスかプラトンか〜!あとおもちゃのチャチャチャの作詞もしてましたよね。シャイな人でした。2025/05/01