出版社内容情報
「七夕の晩、また君恋橋で逢おう」と男から錦絵を渡された女。
その話を聞いた絵師は、落款から己の描いた絵だと気付き、二人の邂逅を見届けたいと二十数年ぶりに彼の地へ向かう(「小金井橋夕照」)。
名所絵の依頼を受けた歌川広重が「江戸近郊八景」を描く道すがら、人々の抜き差しならぬ恋模様を覗く傑作八篇。『恋々彩々』改題。〈解説〉細谷正充
内容説明
「七夕の晩、また君恋橋で逢おう」と男から錦絵を渡された女。その話を聞いた絵師は、落款から己の描いた絵だと気付き、二人の邂逅を見届けたいと二十数年ぶりに彼の地へ向かう(「小金井橋夕照」)。名所絵の依頼を受けた歌川広重が「江戸近郊八景」を描く道すがら、人々の抜き差しならぬ恋模様を覗く傑作八篇。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年、新潟県生まれ。十一年の会社勤めを経て文筆の世界へ入る。江戸の情緒と人情の機微、そして花鳥風月を醸し出す筆致で、多くの読者を魅了している。「鬼役」「鬼役伝」「はぐれ又兵衛例繰控」シリーズで第十一回日本歴史時代作家協会賞「シリーズ賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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花林糖
12
(図書館本)『恋々彩々 歌川広重江戸近郊八景』を改題。「江戸近郊八景」の各名所での市井の恋話。 タイトルに広重とあるが「絵師」として登場する。読み易く読み心地も良い良作揃いの短編八話。「吾嬬杜夜雨/ 小金井橋夕照/羽根田落雁/行徳帰帆/飛鳥山暮雪/芝浦晴嵐/池上晩鐘/玉川秋月」2025/07/21
Ryo0809
3
まさに、珠玉の短編集という言葉がピッタリな本作品。初読みの作家であったが、余韻、抒情、人情、恋情など、江戸とその近郊の風景とともに、市井の男女の心情とともに、しっとりと届く。語られない言葉や文字が行間から立ち昇るようだ。一篇一篇をゆっくりと読み進む。どの話も短編として完結しているのが素晴らしい。久しぶりに、時代小説を堪能した。2025/06/27