出版社内容情報
初刊時、世が「平成」となって10年あまりが経ち、「昭和」はすでに懐かしむ対象となっていた
日本人のありようを見つめる著者が、自身の個人史的随想と昭和を生きた作家への思いを軸に、かつて確かに存在した清々しい日本の姿、静かなる停滞(=老い)へと向かう自身の内面を綴った「昭和」アンソロジー。
穏やかだが切ない「関川文体」が気持ちにしみ通る一冊。
巻末に書き下ろしエッセイを増補する。
内容説明
手の届かない彼方に去ったあの時代の記憶。自らを「昭和の子」と規定する著者が、思春期青年期を回想。さらに同時代を生きた作家たちへの思いを綴る。「昭和」とは旧きよき時代なのか、心の苦い傷なのか。愛憎なかばする感情があふれ出す「昭和」アンソロジー。
目次
溶明する民主主義
1 いわゆる青春について(イヌのフンは、やっぱりイヌのフンにすぎない;学校とはイヤなところだ ほか)
2 暑さに疲れた夕方(日本海の晩夏;蒸気機関車が消えた ほか)
3 「老い」という大陸(ああ、卒業旅行;人の世、至るところに「団塊」あり ほか)
4 「停滞」へのあこがれ(乱歩が最も愛した場所;「停滞」へのあこがれ ほか)
著者等紹介
関川夏央[セキカワナツオ]
1949年新潟県生まれ。上智大学外国語学部中退。『海峡を越えたホームラン』で第七回講談社ノンフィクション賞を、『「坊っちゃん」の時代』(谷口ジローとの共著)で第二回手〓治虫文化賞を、『昭和が明るかった頃』で第一九回講談社エッセイ賞を、2001年「明治以降の日本人と、彼らが生きた時代を捉えた幅広い表現活動」により、第四回司馬遼太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まこみや
hasegawa noboru
阿部義彦
CEJZ_
s_n
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- 和書
- おあとがよろしいようで