出版社内容情報
東京を代表する観光地域となった「谷根千」(谷中・根津・千駄木)。その名称の由来となった地域雑誌『谷中・根津・千駄木』の創刊から四〇年。山の手と下町の結節点、歴史的文化的背景など、地域の魅力は際立っている。とりわけ、森鴎外・漱石をはじめ多くの文士たちが住み、交遊し、作品の舞台となったエリアでもあった。
本書では、彼らによって紡がれた、小説・随筆・詩歌・日記から、「谷根千」ゆかりの文芸作品を精選。地域が育んだ文学的果実を堪能できる一冊とした。
内容説明
東京観光でも人気の「谷根千」(谷中・根津・千駄木地域)は、明治以来、〓外・漱石をはじめ多くの文士たちが住み、交遊し、作品の舞台としたエリアであった。この地ゆかりの文芸作品を精選。小説・随筆・詩歌・日記と多彩な二八作品から、地域が育んだ文学的果実を堪能できる一冊。
目次
五重塔(抄)(幸田露伴)
日記(抄)(樋口一葉)
サフラン(森〓外)
イタリア人(寺田寅彦)
日和下駄(抄)(永井荷風)
放浪記(抄)(林芙美子)
D坂の殺人事件(江戸川乱歩)
上野近辺(抄)(藤井浩祐)
根津のはなし(下田将美)
丸善工場の女工達(高村光太郎)
谷中の家(高村光太郎)
駒込倫敦(室生犀生)
幼い日々(抄)(森茉莉)
菊人形(宮本百合子)
表通り(抄)(佐多稲子)
僕の東京地図(抄)(サトウハチロー)
化粧(川端康成)
上野桜木町―宇野浩二のこと(尾崎一雄)
根津(「東京詠物集」より)(釈迢空)
文京区絵物語(抄)(伊藤晴雨)
根津時代(藤島亥治郎)
谷中寺町・私の四季(抄)(岡本文弥)
おかみさんの小言(三遊亭円之助)
六月・谷中あたり(諏訪優)
文人、画人、彫刻家の話(吉村昭)
谷中―わたしの散歩道(吉本隆明)
上野 むかしを偲ぶ坂めぐり(小沢信男)
谷中おぼろ町(抄)(森まゆみ)
著者等紹介
森まゆみ[モリマユミ]
1954年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。84年地域雑誌『谷中・根津・千駄木』(通称・谷根千)を創刊(2009年終刊)、編集人を務めるかたわら、歴史的建造物の保存活動などにも取り組み、日本建築学会文化賞、サントリー地域文化賞を受賞。主な著書に、『〓外の坂』(芸術選奨文部大臣新人賞)、『「即興詩人」のイタリア』(JTB紀行文学大賞)、『「青鞜」の冒険』(紫式部文学賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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