中公文庫<br> 平安京は眠らない―わかむらさきの事件記

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中公文庫
平安京は眠らない―わかむらさきの事件記

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  • サイズ 文庫判/ページ数 288p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122074859
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1193

出版社内容情報

元式部丞・藤原為時の娘で二十歳の小姫(のちの紫式部)は、創作の腕を評価され、左大臣源雅信の娘・倫子に「物語の女房」として仕えていた。小姫の書いた「光る君」を主人公とする短編は、貴族社会の一部で評判を取り、回し読みされている。倫子の要望に従い次々と執筆しているうちに創作の「種」に詰まってしまった小姫は、ある日、隣家の中流貴族の娘で幼馴染みの月乃に「取材」へ誘われる。女房たちの間で噂になっている七の宮の恋の真相を知るため、宮が女と逢瀬を重ねているという廃院に行ってみようというのだ。月乃の父の荘園を治める荘官の子・鶴丸を供に、廃院に向かった三人だったが……。



【目次】

第一話 六条の廃院

第二話 尋ねゆく幻術士

第三話 あこがれの草子

第四話 車争い

第五話 鳴滝参り

内容説明

元武部丞藤原為時を父に持つ小姫(のちの紫式部)は、「物語の女房」として左大臣源雅信の娘・倫子に仕え、「光る君」を主人公とする短編が評判になりつつある。倫子の要望で次々と執筆するうちに創作の「種」に詰まった小姫は、幼馴染みの月乃に「取材」へ誘われ…。若き日の紫式部が、相棒とともに都大路の「謎」に迫る!

著者等紹介

夏山かほる[ナツヤマカオル]
佐賀県生まれ。福岡女子大学文学部卒業、九州大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。第一一回日経小説大賞を受賞した『新・紫式部日記』で、2020年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鳩羽

3
小姫は、「光る君」を主人公にした短編物語を献上し、源雅信の娘倫子に物語の女房として仕えている。物語のネタに困り、執筆が滞ると、幼馴染の月乃に誘われ、様々な事件に首を突っ込むが…。貴公子七宮に関する噂、花山院の姫宮、あやしげな陰陽師など、平安の貴族社会に起きた事件を、貴族としては中流の受領階級の2人の娘がなんとか解決していく。ミステリというほど謎解きがあるわけでもなく、キャラの立つ男君がいるわけでもないので、平安の貴族社会の雰囲気をゆるゆると味わえる連作集。謙辞という感情は、なるほど確かにと勉強になった。2024/03/18

大福

3
21冊目、ゲラにて読了。 平安時代の女性ってもっと拘束が厳しくて、引きこもらされているイメージがあったけど、この物語は親近感が湧くほどにお転婆さんたち。 すえひろがりのコントみたいな感じで現代に寄せてくれているから、おもしろかった。2024/02/06

スギちゃん

2
まだ駆け出しの物書きだった未来の紫式部「小姫」と、幼馴染で一緒に仕えることになった「月乃」が都で起こるさまざまな事件に挑む物語。ちょっとミステリー要素ありであっという間に読み終えてしまいました。大河ドラマでもやっていますが、この時代は恋、文のやりとり、帝の親類縁者、陰陽師などが都の人の関心事だったんですね。源氏物語も書き写しされて流行したという話。この時代の京の都はどんな雰囲気なんだろうと、想像しながら読めました。2024/03/13

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