出版社内容情報
元式部丞・藤原為時の娘で二十歳の小姫(のちの紫式部)は、創作の腕を評価され、左大臣源雅信の娘・倫子に「物語の女房」として仕えていた。小姫の書いた「光る君」を主人公とする短編は、貴族社会の一部で評判を取り、回し読みされている。倫子の要望に従い次々と執筆しているうちに創作の「種」に詰まってしまった小姫は、ある日、隣家の中流貴族の娘で幼馴染みの月乃に「取材」へ誘われる。女房たちの間で噂になっている七の宮の恋の真相を知るため、宮が女と逢瀬を重ねているという廃院に行ってみようというのだ。月乃の父の荘園を治める荘官の子・鶴丸を供に、廃院に向かった三人だったが……。
【目次】
第一話 六条の廃院
第二話 尋ねゆく幻術士
第三話 あこがれの草子
第四話 車争い
第五話 鳴滝参り
内容説明
元武部丞藤原為時を父に持つ小姫(のちの紫式部)は、「物語の女房」として左大臣源雅信の娘・倫子に仕え、「光る君」を主人公とする短編が評判になりつつある。倫子の要望で次々と執筆するうちに創作の「種」に詰まった小姫は、幼馴染みの月乃に「取材」へ誘われ…。若き日の紫式部が、相棒とともに都大路の「謎」に迫る!
著者等紹介
夏山かほる[ナツヤマカオル]
佐賀県生まれ。福岡女子大学文学部卒業、九州大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。第一一回日経小説大賞を受賞した『新・紫式部日記』で、2020年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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